菅田将暉演じる教師が生徒29人を人質にとって教室に立てこもり、テロ行為さながらの過激な“授業”を繰り広げる1月スタートのドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ系)。その奇想天外なストーリーもさることながら、ヒロインの永野芽郁や川栄李奈など、若手人気女優が生徒役に起用されているのも好評で、初回から注目を集めた。そんな中、クールな佇まいで冷静沈着な生徒・逢沢博己役を演じ、一際存在感を放っているのが萩原利久だ。

かつて「オカレモンJr.」の一員だった!?

今年2月28日に二十歳を迎える萩原は、1月25日より公開となった『十二人の死にたい子どもたち』、2月22日公開の『あの日のオルガン』、秋公開の『アイネクライネナハトムジーク』と、すでに今年だけで3本の映画出演作公開が決まっている。『十二人の死にたい子どもたち』で監督を務める堤幸彦は、萩原の演技を評して「難易度の高い芝居を見事に演じてくれた有望な若手」と絶賛している。

そんな萩原の芸能界デビューは2008年と、9歳までさかのぼる。子役として玩具のCMに出演したのが最初だ。このときの芸能界入りのきっかけについては、「芸能人と友達になりたかった」「お笑いタレントの小島よしおに会いたくて事務所に所属した」と各所で語っているが、そんなバラエティ志向(?)もあってか、デビュー翌年には「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)に約2年間出演。ナインティナイン・岡村隆史扮(ふん)するオカレモンがプロデュースした子役グループ、オカレモンJr.の一員をつとめていた。顔を黄色く塗り、レモンの被りものと全身タイツをまとったひょうきんな姿は、今のクールな顔立ちからはあまり想像できないかもしれない。

それゆえか、2018年4月4日に自身のブログで、レモンの被りものを被った写真とともに「レモンズJr.(オカレモンJr.)から何年ぶり」と投稿した際は大きな話題となった(現在ブログは閉鎖)。ブログでは、オカレモンJr.は8人いたらしく、個性が強い他のメンバーと比較するとキャラ立ちしていなかった萩原は、当時岡村隆史から「目立ってないやつ」と呼ばれていたと当時を懐かしんでいた。今、萩原が役者としての個性を伸ばしているのも、このときの経験や教訓によるものなのかもしれない。

菅田将暉の役者魂に触れて、事務所移籍を決意

その後、数多くのドラマや映画に出演して役者としてのキャリアを積んできた萩原の転機となったのが2012年に出演したドラマ「運命の人」(TBS系)で、共演した菅田将暉の役者魂に感銘を受けて、現在所属する菅田と同じ事務所への移籍を決意したという。2017年には『帝一の國』『あゝ、荒野』と菅田が主演を務めた映画に出演しており、萩原にとっては文字通り“背中を追う”偉大なる先輩にあたるようだ。

2016年に『イノセント15』で注目女優・小川紗良とともに映画初主演を飾った萩原は、2018年は映画『ウィッチ・フウィッチ』で再び小川とW主演を務めるなど躍進の一年となった。

2018年春ドラマ「あなたには帰る家がある」(TBS系)では闇を抱えるミステリアスな高校生を、また夏ドラマ「グッド・ドクター」(フジテレビ系)では車いす生活を余儀なくされた高校生を、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では空気の読めない高校生を演じるなど、その縁起の幅を着実に広げている。

数多くのドラマや映画に出演しても、そのたびに新たな魅力を醸し出し、役者としての引き出しの多さを見せる萩原。豊富なバラエティ出演や、尊敬する先輩との度重なる共演といった貴重な経験が、若くして演技の幅と深い表現力を与えているのかもしれない。

(文/猪口貴裕)