老舗映画雑誌『キネマ旬報』が発表するベスト・テン第92回で、俳優の柄本佑と安藤サクラが夫婦そろって主演男優賞と主演女優賞を受賞した。安藤は「すごくうれしかったですが、受賞の知らせを聞いた瞬間はどこか他人事のような感じでした。でも、主演男優賞が柄本佑さんですと聞いたときには、飛び上がって喜びました」とコメントを寄せている。日本映画第1位は是枝裕和監督の『万引き家族』、外国映画の第1位は『スリー・ビルボード』の結果となった。

 主演男優、女優賞に輝いた柄本、安藤は第73回毎日映画コンクールでも夫婦そろって受賞。安藤は『万引き家族』で3度目の主演女優賞を受賞。助演賞を含めると5度目。柄本は、第77回で新人男優賞を受賞しているが、主演での受賞は初。『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち 時の記憶』の3作品の演技で表彰された。

 日本映画1位は、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞し、国内外の映画賞を席巻中の『万引き家族』。第91回アカデミー賞外国語映画賞の候補となり、受賞の行方が注目されている。本作は、読者選出日本映画賞でも第1位となり、主演女優賞(安藤サクラ)、読者選出日本映画監督賞(是枝裕和監督)でも受賞。また、本作にも出演していた故・樹木希林さんに、100周年を迎えた今年「多くの映画人の業績を讃え、先達への敬意と感謝の意を表す」ことを目的に新設された「特別賞」が贈られた。

 日本映画監督賞は『菊とギロチン』『友罪』の瀬々敬久が受賞。『菊とギロチン』では相澤虎之助とともに脚本賞も受賞している。また同作の木竜麻生、寛一郎がそれぞれ新人女優賞、男優賞を受賞した(木竜は『鈴木家の嘘』での演技を含めて)。

 各作品部門2~10 位は2月5日発売「キネマ旬報 2月下旬キネマ旬報ベスト・テン発表特別号」で掲載される。「キネマ旬報」は、1919(大正8)年に創刊。ベスト・テンは1924年度(大正13年)に始まり、戦争による中断があったものの、大正年間から継続されている。ベスト・テン及び各賞の選考は、2018年度はのべ130名以上の映画評論家、ジャーナリストらによって行われている。(編集部・石井百合子)

「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果一覧は下記の通り。

<作品>
日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』
文化映画ベスト・テン第1位『沖縄スパイ戦史』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』

<個人>
日本映画監督賞:瀬々敬久『菊とギロチン』『友罪』
日本映画脚本賞:相澤虎之助、瀬々敬久『菊とギロチン』
外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
主演女優賞:安藤サクラ『万引き家族』
主演男優賞:柄本佑『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち 時の記憶』
助演女優賞:木野花『愛しのアイリーン』
助演男優賞:松坂桃李『孤狼の血』
新人女優賞:木竜麻生『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』
新人男優賞:寛一郎『菊とギロチン』
読者選出日本映画監督賞:是枝裕和『万引き家族』
読者選出外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
キネマ旬報読者賞:立川志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」
特別賞:樹木希林