2月15日(金)から公開される『半世界』。稲垣吾郎主演の本作は、地方都市を舞台に、40歳を目前にした同級生である3人の男たちの姿を中心に描いています。稲垣が演じるのは、妻と反抗期の息子をもつ、炭焼き職人という役柄。今までに見たことのないキャラクターで、自身の新境地を開拓することになりそうです。

稲垣の新境地?「情けないダメおやじ」がハマり役に

『半世界』は、昨年10月25日から11月3日まで行われた「東京国際映画祭」に出品されました。その際の記者会見で、「“情けないダメおやじ”という役柄がハマっていたが、演じてみてどうだったか」という質問に対し、稲垣は苦笑しながら「ハマっているといわれると複雑な心境」と言いつつも、「自分でも見たことのない自分がスクリーンにいた。(中略)しかしそれは、共演者やロケ地である三重県の伊勢志摩にいざなわれ、役を演じきれたということなのかなと思う」と語りました。

撮影が行われたのは昨年2月のことで、「新しい地図」として活動開始後、ソロとして最初の本格的な役者の仕事だったとのこと。そういう意味でも「新たな役柄を演じられた本作に巡り合えたことを幸せだと思う」とコメントしています。

どんな役柄でも評価が高い稲垣の演技力

これまでテレビドラマや映画、舞台とさまざまな場所で演技の腕を磨いてきた稲垣。SMAP時代は主役として活躍する一方、心に残る悪役も演じてきました。

『十三人の刺客』(2010年)では暴君・松平左兵衛督斉韶を好演。彼の悪行と戦うべく立ち上がった13人の暗殺部隊に命を狙われる役柄で、その狂気に満ちた演技は高く評価され、毎日映画コンクール 第65回の男優助演賞、第23回日刊スポーツ映画大賞の助演男優賞など数々の賞を受賞しています。また、同年のテレビドラマ「流れ星」(フジテレビ系)では、ヒロインを苦しめる卑劣な兄役を演じ、第67回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞2位に輝きました。

その一方、舞台「No.9 -不滅の旋律-」(2015年、2018年)では、天才音楽家・ベートーベンの創作に没頭する、激しく繊細な姿を見事に演じ、また、ミュージカル「恋と音楽」シリーズでは、歌やダンスをまじえたコミカルかつ華やかな演技で観客を魅了。役者としてたくさんの可能性を感じさせる稲垣は、作品の作り手たちにとって魅力的な存在なのかもしれません。

今後はブログ経由で文学の世界に?それともYouTuber!?

魅力的といえば、2017年11月からスタートしたブログも、読書家の稲垣らしい優しい文体や四季折々の花の写真が印象的。雑誌『an・an』の連載「稲垣吾郎シネマナビ」でも文才を発揮しており、また、毎週1冊書籍を紹介するブックバラエティ「ゴロウ・デラックス」(TBS系)も8年目に突入していることから、今後は文学の世界に進出する可能性も考えられます。

さらに、2019年1月1日放送の「7.2 新しい別の窓」(AbemaTV)がきっかけで、翌日には「ユーチューバー吾郎チャンネル」が開設されました。動画はまだ1件のみ(1月28日時点)ですが、新しい地図の草なぎ剛がYouTuberとして先に活躍しているだけに、稲垣が今後どんな活動を見せていくのか楽しみです。

昨年12月にAmazon Prime Videoのドラマ「東京BTH〜TOKYO BLOOD TYPE HOUSE〜」に主演し、さらにそのドラマの主題歌で約14年ぶりのソロシングル曲「SUZUNARI」も配信。今年は早くも『半世界』のほか、舞台「LIFE LIFE LIFE〜人生の3つのヴァージョン〜」への出演が発表されています。新しい地図のメンバーが個々に活動を発展させていく中、2019年は稲垣吾郎も大きな躍進を遂げる一年となりそうです。

(文/北舘和子)