ぱっつん前髪に太い眉がトレードマークの俳優・加藤諒。大ヒット上映中の『翔んで埼玉』、『PRINCE OF LEGEND』に出演中のほか、4月下旬からは主演ドラマ「恋と就活のダンパ」(NHK BSプレミアム)も放送されるなど、映画やドラマで大活躍中。

加藤といえば、もとは、キレキレのダンスなど独特なキャラが印象的なバラエティータレントというイメージが強かった。しかし今では映画やドラマのオファーが絶えない“個性派俳優”として無二の存在感を放っている。

クセの強い役がハマリ役に

現在放送中の教育番組「で~きた」(NHK Eテレ)では、学校生活に必要なスキルやマナーが身についていない子どものもとへやって来て「♪できない子見つけた~」とビブラートをきかせて歌い踊る“デキナイヲデキルマン”役で子どもたちから人気を博している。一方、バラエティー番組や民放ドラマでは、個性的なルックスと喋り口調で大人の視聴者からも熱い支持を得ている加藤。

1月期ドラマ「家売るオンナの逆襲」(日本テレビ系)では、鯉が泳ぐ風呂に浸かるなどの過激な動画を配信する“炎上系YouTuber”役で第1話に登場。クセの強いキャラへのハマリぶりが話題となった。

とはいえ、個性的な役柄はこれが初ではない。過去には、「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年・TBS系)を手掛けた野木亜紀子脚本の「主に泣いてます」(2012年・フジテレビ系)で、“見た目は西郷隆盛だが心は乙女の中学生”という強烈なキャラを熱演。宮藤官九郎による「ゆとりですがなにか」(2016年・日本テレビ系)では劇中で“ファッション童貞”と呼ばれる役に扮し、作品を盛り上げた。

「ゆとりですがなにか」で加藤が演じた役は、宮藤が加藤をイメージした“当て書き”だったそうで、演じた役について加藤は、世間が見ている自分の印象そのままだったと後のインタビューで語っている。加藤の強烈な個性には、鬼才クドカンもインスピレーションを大いに刺激されたということか。

オーディションに落ち続けた原因は…

1995年、5歳でダンススクールに入所した加藤。同スクールがローカルCMのキャスティングをしていたこともあり、小学校低学年のときには信金のローカルCMに出演した。そして2000年、10歳のときに人気バラエティー番組「あっぱれさんま大先生」(フジテレビ系)で本格的な芸能界デビューを果たしたが、長い芸能生活の中ではいろいろな苦労もあったようだ。

2018年10月17日放送の「1周回って知らない話」(日本テレビ系)では、ドラマや映画のオーディションを受けるもなかなか合格できなかった過去に言及。審査員からは「演技はまったく悪くないんだけど、顔がアレなんだなあ。顔に目がいくから主役の子より悪目立ちしちゃってる。君にはムリ」と冷たく言い放たれたこともあったとか。

しかし、幼少期から芸の世界にいる加藤は、「僕にはこれしかない」との強い意志で活動を続けてきたそうだ。

そんな加藤だが、今年6月28日にはついに主演映画が公開となる。『翔んで埼玉』も手がけた魔夜峰央の代表作として知られる、大人気ギャグ漫画の実写映画版『劇場版パタリロ!』だ。加藤演じる主人公のパタリロ・ド・マリネール8世といえば、白みがかった金髪にずんぐりむっくり体系でおなじみの“破壊的天才少年”。

同役を加藤が演じた舞台版は、2016年に第1弾、昨年には第2弾が上演された。昨年3月15日に行われた第2弾初日会見では、原作者・魔夜峰央が「(パタリロを)生きてる人間ができるとはそもそも思っていませんでした。(中略)だけど加藤諒くんを見て、『あ、いた』と思いました」「本当にハマリ役です」とその“再現率”の高さに太鼓判を押していた。

バラエティーで鍛えられた表現力と、かつて「あっぱれさんま大先生」で先生こと明石家さんまから“マンガ顔”といじられた個性的なルックスを武器に邁進する加藤の活躍に、これからも注目したい。

(文/ナカニシハナ)