猿の惑星

SF映画の金字塔の一つともいわれる『猿の惑星』だが、歴代シリーズ全てを観たことがあるという人は案外少ないのでは? そこで今週のクローズアップでは、映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の公開に合わせ、『猿の惑星』シリーズを総ざらい(ネタバレあり)。最新作をより一層楽しもう!

全てはここから始まった!
SF映画の金字塔『猿の惑星』(1968)

猿の惑星

20th Century Fox/Photofest/MediaVast Japan 

地球を飛び立ってから1年余りがたった宇宙船の乗組員テイラーたちは、とある惑星に不時着する。そこで彼らが目にしたのは、なんと人間のように言葉を話す猿たちが人類を支配する恐るべき世界だった! テイラーも猿たちに捕まり、奴隷のような扱いを受けるが、チンパンジーのジーラやコーネリアスの助けを得て、同じ人間の女性ノヴァを連れて脱出を試みる。 

やっとの思いで猿たちの追跡をかわしたテイラーとノヴァが浜辺に埋もれた自由の女神を発見し、❝猿の惑星❞が実は未来の地球の姿であったことが判明する驚がくのラストは映画史に残る名シーンだ。

 

ミュータントとの戦い!そして地球滅亡・・・
『続・猿の惑星』(1970)

猿の惑星

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 販売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント 

猿の町を脱したテイラーとノヴァ、そしてテイラーを追ってやってきた宇宙飛行士ブレントは、禁断地区と呼ばれる一帯で、核戦争により廃虚と化したニューヨークを発見する。そこでは放射能の影響で高度な知能を手にしたミュータントたちが、地球をも滅ぼしかねない威力を持つコバルト爆弾を神とあがめて町を支配していた。

そこに勢力を拡大しようとやって来た猿たちとの戦いに三人も巻き込まれ、その途中でノヴァとブレントは殺されてしまう。そして、全てに絶望したテイラーは銃撃戦の末、最後の力で自ら爆弾のスイッチを押し、ミュータントや猿はおろか、地球もろとも滅亡させるという衝撃の展開が待ち受けている。 

今度は猿が現代の地球に!
『新・猿の惑星』(1971)

猿の惑星

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前作のラストで消滅した地球から1970年代の地球にタイムトラベルしてきた猿のコーネリアスとジーラ。人間の言葉を話すため、初めは大いにもてはやされる彼らだが、やがて猿が人類を支配すると知った人間たちは彼らの存在を危険視。事態は一転、命を狙われる羽目になる。

そのころ二人の間には子供が誕生するが、執拗(しつよう)に彼らを追うハスライン博士の手により三人とも銃殺されてしまう。しかし、本当の子供は別のところに預けられていた・・・・・・。前半は、人間のような行動をする猿たちに人間が戸惑うシーンなど、コミカルで笑える場面も多いのが本作の特徴。

 

奴隷と化した猿たちの反乱!
『猿の惑星・征服』(1972)

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コーネリアスとジーラが殺されてから約20年、二人の息子はサーカスの団長アーマンドのもとでひっそりと育てられていた。後にシーザーと名乗るようになった彼は、人間が猿を奴隷のように扱い、虐待しているのを目にし、怒りを募らせていく。

そんなとき、育ての親であるアーマンドが警察に捕らえられ、命を落としたことを知ったシーザーは他の猿と共に反乱を決行。ついに人間と猿の立場が逆転することとなる。猿がいかにして人間を支配するに至ったかを描いているという点では、2011年の新シリーズ『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』に近いところがある。

 

ついにシリーズ完結!地球の未来は?
『最後の猿の惑星』(1973)

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Twentieth Century Fox Film/Photofest/ゲッティ イメージズ

このころ猿と人間の戦いは核戦争にまで発展し、シーザーを中心に生き残った猿たちが地球を支配していた。亡くなったコーネリアスとジーラの記録により、3950年に地球が滅亡することを知ったシーザーは未来を変えようと決意する。しかし、次第に同じ猿族であるゴリラたちの反乱や、放射能によりミュータントと化した人間たちの侵攻が始まり、さらに息子のコーネリアスが何者かに殺されてしまう。

なんとか町に攻めてきたミュータントを追いやったシーザーたちだったが、息子を殺したのはゴリラの将軍アルドーだったことが発覚。シーザーは、「猿は猿を殺さない」というおきてを破り、息子の命を奪ったアルドーを自ら手に掛け、人間との共存を選択するのだった。今作で出てくる「猿は猿を殺さない」というセリフは、最新作『猿の惑星:新世紀(ライジング)』でも一つのキーワードとなっている。

 

あのティム・バートンが再映画化!
『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)

猿の惑星

20th Century-Fox/Photofest/ゲッティ イメージズ 

『アリス・イン・ワンダーランド』『シザーハンズ』などで知られるティム・バートン監督が、1968年の『猿の惑星』をリメイクならぬ❝リ・イマジネーション❞(再創造)した本作。猿が人間を支配するという基本設定はそのままに、オリジナル版とは多少異なるストーリーが展開する。

❝猿の惑星❞に迷い込む主人公の宇宙飛行士レオを演じるのは、『テッド』のマーク・ウォールバーグ。海外ドラマ「ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間」のティム・ロス、『アリス・イン・ワンダーランド』のヘレナ・ボナム=カーター、2012年に亡くなった『グリーンマイル』のマイケル・クラーク・ダンカンさん、『サイドウェイ』のポール・ジアマッティら実力派俳優が特殊メイクで猿を演じているのにも注目だ。

猿の惑星

チャールトン・ヘストンさんとティム・バートン監督

また、オリジナル版で主人公テイラーを演じた名優チャールトン・ヘストンさんが猿の将軍セードの父役でカメオ出演。しかし、その年のラジー賞でワースト助演男優賞を受賞してしまった。そのほかにも本作はワーストリメイク・続編賞とワースト助演女優賞(ヒロインを演じたエステラ・ウォーレンに対して)に選ばれており、作品としての評価はあまり高くない。

 

進化した猿たちの❝起源❞をひもとく
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011)

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Twentieth Century Fox Film Corporation/Photofest/ゲッティ イメージズ

なぜ猿と人間の立場が逆転したのかという起源に迫る、『猿の惑星』の前日譚(たん)として位置付けられる新シリーズの第1弾。現代のサンフランシスコを舞台に、最新の生体実験で驚異的な知能を持った一匹の猿がやがて人類にとって脅威となっていくさまを描く。主演は『127時間』のジェームズ・フランコ、監督は新鋭ルパート・ワイアット。

リアリティーを増し、ドラマ性を重視したストーリー、そしてティム・バートン版から10年、格段に進化した映像技術に惹(ひ)き付けられる。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム役で知られるモーションキャプチャーの第一人者、アンディ・サーキスが猿のシーザーを演じる。

 

共存か?決戦か?シリーズ最新作
『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)
 

猿の惑星

 (C) 2014 Twentieth Century Fox 

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』に続く新シリーズの第2弾。前作から10年後の世界を舞台に、ウイルスにより滅亡状態に陥った人類と、シーザーに率いられて独自の文明を築きだした猿たちが両者の存亡を懸けた決断を迫られる。 

猿の惑星

ゲイリー・オールドマン、ジェイソン・クラークら 

シーザー(アンディ・サーキス)たちに歩み寄ろうとする穏健派マルコムには『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェイソン・クラーク、そんなマルコムと対立する人類の先導者ドレイファスにはゲイリー・オールドマンがふんする。 

猿の惑星

真ん中がコディ・スミット=マクフィー 

前作のルパート・ワイアットに代わり、メガホンを取ったのは『クローバーフィールド/HAKAISHA』『モールス』のマット・リーヴス監督。『モールス』でクロエ・グレース・モレッツ演じる吸血鬼の少女と恋に落ちる少年を演じたコディ・スミット=マクフィーがマルコムの息子を演じている。 

共存か、それとも決戦か・・・・・・人類と猿たちの選択から目が離せない。 

映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』は公開中

 

(文・構成:シネマトゥデイ編集部 中山雄一朗)

09月19日
記事提供元:シネマトゥディ(外部サイト)

関連作品情報

猿の惑星:新世紀(ライジング)

カリスマ的な統率力を誇る猿のシーザー(アンディ・サーキス)が、仲間を率いて人類への反乱を起こしてから10年後。遺伝子の進化、知能と言語の獲得により猿たちはさらに進化を遂げ、独自の文明を形成、森の奥に平和なコミュニティを築いていた。一方、10年前に自らが生み出したウイルスにより人類は90%が死に追いやられ、僅かな生存者グループは、荒廃した都市部の一角に身を潜め、希望なき日々を過ごしている。そんなある日、人間たちが資源を求めて森に足を踏み入れたことから、猿たちとの間に危うい緊張が走る。異なる種でありながらもお互いに家族や仲間を持ち、平和を望むシーザーと人間側のリーダー、マルコム(ジェイソン・クラーク)は和解の道を探るが、両陣営の対立は激化。共存か闘いか、最終決戦へのカウントダウンが刻まれるなか、シーザーとマルコムは種の存亡を懸けた重大な選択を迫られる……。

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