肉体改造

ハリウッド俳優といえば、役のために太ったり痩せたりは当たり前。今週は、自らの肉体をも変幻自在に扱い、そのキャラクターに成り切ったスターたちを、その方法と共にご紹介していきます。良い子は絶対マネしちゃダメですよ~!

◆クリスチャン・ベイル

ガリガリからメタボ体型まで網羅の王者!

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『マシニスト』で見せたガリガリっぷり!
- Paramount Classics/Photofest/ゲッティ イメージズ 

変幻自在な肉体改造のキングといえば、この人、クリスチャン・ベイル。彼の名を世に知らしめた映画『マシニスト』では身長183センチに対し、体重を55キロにまで落とし、まさしく骨と皮といった姿を鮮烈に印象付けたベイル。その翌年の『バットマン ビギンズ』では86キロまで増量し、バットマンらしく鍛え上がった肉体を披露。かと思えば、さらに翌年には『戦場からの脱出』で再び61キロに。アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ザ・ファイター』でも66キロと、得意の減量役づくりの実力を見せつけた。

そんなベイルのダイエット法とは・・・・・・「1日にツナ缶1個とリンゴ1個のみ!」というもの。これを4か月ほど続けると、激やせベイルの出来上がり! もちろん医師の監修のもと行っているということではあるものの、その執念たるやすさまじいものが・・・・・・。

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『アメリカン・ハッスル』での見事なメタボ腹
- Columbia Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ 

一方、最近は激太りにもチャレンジしたベイル。記憶に新しい『アメリカン・ハッスル』では、約20キロ増量に挑戦しぶよぶよメタボ腹を披露。ドーナツやチーズバーガーなど、目にした食べ物は全て口にするといった方法で見事成功させたものの、その後は健康的なダイエットを実施したのか、体重を落とすのに少々苦労したという話も。体重の増減のほかにも、髪の毛を抜いたり、歯並びを変えたりと役づくりのための見た目の追求はケタ違い。やはり王者は彼で間違いなし!

 

◆レニー・ゼルウィガー

スレンダー女優がぽっちゃりのカリスマに!

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ぽっちゃりのカリスマ、ブリジット
- Miramax Films/Universal Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ 

 今もなお、女性に絶大な人気を誇る『ブリジット・ジョーンズの日記』でブリジット役を射止め、自身のキャリアにおける大きな転機を手にしたレニー・ゼルウィガー。それだけにぽっちゃりさんな印象がある人もいるかもしれないが、当のレニーは実にスリムな女優さん。日頃からそのスリムな体型維持のために、週に5~6回はジムに通い、徹底したダイエットを行っているという彼女。だが、ブリジットを演じるにあたっては、13キロの増量に挑んだ。

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『シカゴ』ではこんなにスリムに!
- Miramax/Photofest/ゲッティ イメージズ 

その方法は、ミルクシェイクを飲んだり、チョコレートバーを食べたりと、とにかく高カロリーな物を摂取し続けるというもの。撮影期間が9か月にも及んだため、「さすがに大変だった」と本人も漏らしていたほど過酷だったが、急激な増量の後に待っているのは、元の体型に戻るための減量。レニーの場合、第1作の撮影が終わった直後には、『シカゴ』に向けての減量が必要だったためか、増やした体重以上の肉をそぎ落とすという驚異のダイエットを行ったというウワサ。また、35歳のときに出演したシリーズ2作目では、増量した体重を落とすのにかなり苦労したため、第3作では増量せずに撮影を行うことを条件にしたという話も。

急激な体重の増減にはしわも増え一気に老け込むという女優にとって致命的な影響をもたらす危険も伴うが、増量・減量した『ブリジット・ジョーンズの日記』『シカゴ』の両作品にて2年連続してアカデミー賞候補になるなど、キャリア的にはその努力は報われたのかもしれない。

 

◆マシュー・マコノヒー

執念のダイエットでアカデミー賞ゲット!

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セクシー・マシューがこんな姿に!
- Focus Features/Photofest/ゲッティ イメージズ 

 『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、自らのキャリアの頂点を極めたマシュー・マコノヒー。同作での15キロ以上のダイエットは、まさしく執念のたまもの。「少量だけどいい食事を心掛けていた」と本人がコメントするように、栄養士と相談し、絶食は一切せず、新鮮な魚を少量ずつ食べて、睡眠をきちんと取るといったベストな減量法で挑んだ。

4か月にわたる減量の間には、数キロ落ちては停滞するというペースを幾度となく繰り返したが、「ダイエットというのは全て自己管理のたまもので、肉体的だけでなく、精神的な道のり。自分の体を知るという意味では非常に勉強になる体験だった」と後に語っているように確固とした意志に支えられ、最終的には周囲が心配するほどの激痩せぶりに至り、本人も成功を確信したという。

撮影後は「パーフェクトなチーズバーガーを思う存分食べたい!」と公言していたが、実際には極端なダイエットから体重を戻すにあたって細心の注意を払っており、きちんと検査を受け、糖尿病にならないよう(急激に体重を戻すとなりやすいといわれているため)正しい方法で体重を増やしているという。

 

◆ジャレッド・レトー

ちょっとやりすぎ!? 短期集中型ダイエッター

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ガリガリになったジャレッドを写した写真家テリー・リチャードソンのブログより 

マシュー同様、『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したジャレッド・レトー。音楽活動をしている彼は、約4年ぶりに俳優復帰に挑んだ同作で、約18キロに及ぶ減量にチャレンジ。オファーを受けてわずか3週間半ほどでガリガリになったという。

その方法は本人いわく、「とにかく食べない、食べない、食べない、水を飲む、食べない」といういわゆる「絶食」。減量期間は固形物を一切口にしなかったという、まさしく絶対にやっちゃいけないパターンだ。実際、「体の状態が奇妙な段階に突入する」と後に語ったほどだが、(役のため)トランスジェンダーの女性になることを目的としていたジャレッドにとって、このダイエットは役になるための前提条件。その後は、眉毛もなくし、足の毛も全てそって、女性に成り切ったのだった。

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イケメンのかけらもない!?
- Peace Arch Films/Photofest/ゲッティ イメージズ 

ちなみに過去には、映画『チャプター27』の役づくりのため約30キロ増量したことでも知られるジャレッド。このときはわずか2か月で目標体重に達するために、食事の回数を増やし、炭水化物中心の食事に。さらにアイスクリームを溶かしたものを飲んで、常に胃袋を満腹状態にして太ったという。そのため痛風になり、その足の痛みは撮影にも影響を及ぼし、元の体型に戻すのには約1年かかったという。「こんな思いは二度としたくない」と後に語っており、彼にとっては痩せることより太る方がつらかった様子。

 

シャーリーズ・セロン

増量に脱毛、驚異のひょう変ぶりに圧倒

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(左)『モンスター』での伝説的変貌ぶり
- Photofest/ゲッティ イメージズ 

177センチという抜群のスタイルにエレガンスな美貌、ゴージャスなルックスでディオールの広告塔を長年にわたり務めるシャーリーズ・セロン。そんな彼女が役にのめり込み、その変貌ぶりで世界中を驚かせたのが『モンスター』。約13キロ増量するために、ドーナツをたくさん食べ、毎日ダラダラと過ごした彼女。ぜい肉が背中や脇腹にまでたっぷりとたまり、ウエストのくびれも当然のごとくなくなった姿に、飼っていた愛犬まで逃げ出したという逸話が飛び出すほど。役に成り切るため眉毛も全て抜くという徹底ぶりを見せ、作り上げられたアイリーン(アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯)の姿には、ゴージャスなシャーリーズの面影は一切なく、渾身(こんしん)の役づくりはオスカーを彼女にもたらす結果となった。

もちろん増量の後に待っているのは減量だが、次の撮影が詰まっていたため徹底したダイエットとエクササイズにより、わずか1か月で元の体重に戻したという彼女。その方法は至ってシンプルで、「間食を一切やめて、午後6時以降は何も食べない」というもの。これに加え「クラブマガ」という護身術などのエクササイズを毎日欠かさず行ったという。ハリウッド女優といえども、ダイエットの基本は変わらない!?

 

◆ヒュー・ジャックマン

ミスターパーフェクトの徹底した役づくり

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『レ・ミゼラブル』での痩せこけたヒューと『X-MEN:フューチャー:パスト』でのマッチョなヒュー
-(左)Universal Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ
- (右)(C)2014 Twentieth Century Fox 

パーフェクトなルックスに知的かつユーモアあふれる人柄、ストイックな役づくりによる安定した演技力で、人気ハリウッドスターの地位を確立しているヒュー・ジャックマン。ミスターパーフェクトとして有名なヒューの徹底した役づくりはこれまた見事なもの。

映画『レ・ミゼラブル』では、冒頭のシーンのためだけに短期間で8キロの減量を達成。それだけでも過酷だが、加えて撮影前36時間は水を飲まずに演じ、監督にも「顔の骨はまるで骸骨みたいに浮き出ていた」と評されるほど壮絶な役者魂を見せつけた。

一方、彼のライフワークとなっている「X-MEN」シリーズでウルヴァリンを演じる際には、「背は低いが体に厚みがあり、力強くてがっちりしている」というウルヴァリンの原作像を体現するために、毎回超過酷な体づくりを実行。映画『ウルヴァリン:SAMURAI』の際には、チキンと卵中心の高タンパク食で1日6,000キロカロリーを摂取しながら筋肉増強に励み、毎日卵を1ダースずつ消費する食生活を送ったのだそう。人気シリーズゆえ、すでに10年以上もウルヴァリンを演じ続けており、毎回同じような体づくりをするのは、加齢と共に厳しく、そして健康面においても不安になるもの。ミスターパーフェクトのヒューもさすがに心臓発作を起こすのではないかと心配しているのだとか・・・・・・。

 

◆アン・ハサウェイ

壮絶ヒロインのため目指したのは死の淵・・・

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肩の骨が浮き出てます・・・・・・
- Universal Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ 

映画『レ・ミゼラブル』のファンテーヌ役で見事アカデミー賞助演女優賞を獲得したアン・ハサウェイ。ファンテーヌの壮絶な人生を演じるにあたり、約11キロにも及ぶ減量を行った。

まず同作の撮影に入る前に『ダークナイト ライジング』でキャットウーマンを演じるために完全菜食主義に徹し、10か月に及ぶ筋トレ、マーシャルアーツ、ヨガなどで引き締まった体を手にしていたアン。そこから、軽食やアルコール、カフェインは取らず、水をたくさん飲み、食事を100%フレッシュジュースに置き換えるという「クレンズダイエット」という方法で約4.5キロ減量。体に優しく、安全にデトックスできる方法として、セレブやニューヨーカーに大人気な手法だが、それだけでは終わらず・・・・・・。さらに、1日に二つの小さな乾燥オートミールペーストしか口にしない過激なダイエット生活を2週間続け、約7キロ減量。計11キロの減量を成功させたという。

彼女が演じたファンテーヌは、生活苦により売春婦に身を落とし、さらには病を患う悲劇のヒロイン。「確かに尋常じゃなかったけど、死にそうに見えなくちゃならなかったから・・・・・・。強迫観念に駆られていなきゃできなかった」というコメントからも超過酷だったことがうかがえる。そのかいあり、念願のオスカーを手にしたアン、喜びもひとしおだったに違いない。

 

◆ナタリー・ポートマン

つらすぎる・・・・・・追い詰められたバレリーナ

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見事なバレリーナに!
- Fox Searchlight Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ

 

アン同様、壮絶なダイエットで役にのめり込み、結果アカデミー賞主演女優賞を手にした女優といえば、ナタリー・ポートマン。主演作『ブラック・スワン』では、精神的に追い込まれたバレリーナを演じるため、過酷なダイエットに挑んだ。

ナタリーといえば、もともと小柄でスリム。9歳の頃から続けているという徹底した菜食主義としても知られているが、加えて炭水化物を断ち、1日に8時間にも及ぶハードなバレエのトレーニングをすることで、約5キロの減量に成功。その姿に監督のダーレン・アロノフスキーはやりすぎなのではないかと心配するも、本人はその後もさらにダイエットを続け、最終的には9キロもの減量に成功したという。

「どんな特別なダイエット法よりとにかく量、これが痩せる鍵。量より質が大切なの」と成功の秘訣(ひけつ)を語るナタリー。それだけでも過酷極まりない中、約1年にわたるトレーニングでは、バレエのレッスンを中心に、スイミング、クロストレーニング、持久力をつけるエクササイズを組み合わせた内容を1日5~8時間。撮影中も早朝から2~3時間トレーニングした後、12~14時間撮影セットで過ごすという生活を送っていたのだとか。もはやアスリート!?

 

◆ブラッドリー・クーパー

マッチョすぎ~!その胸何カップ!?

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タキシードはなんとか入ったみたい!?
- Rabbani and Solimene Photography / Getty Images 

最近、その変貌ぶりで最も驚かせたハリウッドスターといえばブラッドリー・クーパーではないだろうか。大ヒットコメディー映画『ハングオーバー』シリーズで成功を手にし、瞬く間にアカデミー賞にノミネートされるまでの人気実力派俳優に上り詰めたブラッドリー。その演技力はもちろん、やはりバツグンのルックスが世の女性をとりこにしてきたわけだが、そんな彼がボディービルダー顔負けのムッキムキボディーになり、かつ毛むくじゃらのヒゲ面になったのだからさっそく世界中でニュースに。

これは、クリント・イーストウッド監督の最新作『アメリカン・スナイパー(原題) / American Sniper』での役づくりのためだが、なんと約18キロも体重を増量したのだとか。海軍特殊部隊員の役のため、ぶよぶよではなく、とにかく異常なまでのムキムキの肉体に。食生活とエクササイズを徹底し、毎日ジムで鍛えるという方法で達成したという。

役づくりとはいえ、人気俳優だけに増量中にも人前に出る機会は多く、ホワイトハウスで開催された晩さん会に出席する際、持参していたボクサーショーツが体型に合わなくなってしまい、ノーパンでタキシードを着て出席する羽目になったというエピソードも。それもこの姿を見れば納得!?

(文・構成:シネマトゥデイ編集部 浅野麗)