『娚(おとこ)の一生』榮倉奈々&豊川悦司 インタビュー

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「足キス」のシーンはいまだにちゃんと観られない

『娚(おとこ)の一生』榮倉奈々&豊川悦司 インタビュー

『娚(おとこ)の一生』の予告動画はこちら

西炯子の同名人気コミックの映画化『娚(おとこ)の一生』で、「もう恋はしない」と決めたヒロイン・堂薗つぐみを演じた榮倉奈々と、そんな彼女の前に突然現れる52歳独身の大学教授・海江田醇を演じた豊川悦司が、撮影の裏側を語った。

映画『娚(おとこ)の一生』は2月14日より全国公開

取材・文: 進藤良彦 写真: 平岩亨

大人の恋愛を演じる喜び

Q:この題材、この物語を演じることになって、まずどんな感想を持ちましたか?

榮倉奈々(以下、榮倉):もともと友達に薦められて原作は読んでいたので、その時は、静かに淡々と進むようでいて、でもどこか惹(ひ)き付けられるお話だなと思っていました。まさか自分が演じることになるとは思ってもいなかったので、お話を頂いた時は驚きました。

豊川悦司(以下、豊川):僕は映画のお話を頂いてから原作を読んで、すごく面白かったんですけど、この作品に限らず漫画原作の映画というのは、やっぱり読者の方々がそれぞれのキャラクターに対してはっきりしたイメージを持っていることが多いので、いろいろ難しい場合がありますよね。この海江田醇という男もなかなか難しい役だなと思ったし、何より、この原作が持っている世界観のようなものをどんなふうに立体化、映像化していくのか。果たしてうまくいくだろうかという不安も少しありました。

Q:出演の決め手になったようなものはあったのでしょうか?

榮倉:それは、廣木(隆一)監督と久しぶりにご一緒できるということが大きかったですね。しかも、大人の恋愛を撮ってもらえるということが、とてもうれしかったです。

豊川:僕も廣木さんが監督すると聞いた時に「ああ、だったら安心だな」って、さっき言ったような不安がスッと消えました。

『娚の一生』榮倉奈々&豊川悦司 インタビュー

現場ではお互いに「おんぶに抱っこ」

Q:今回、つぐみというキャラクターを演じる上で、どんなことを意識されましたか?

榮倉:わたしは一つの作品をやっている間、その現場の空気だとか監督の好みや癖みたいなものが、すごく体に染み付いてしまうんです。前の作品を引きずったまま次の現場に入るのは良くないといつも思っているのですが、今回は特にそれを意識しました。これまでずっとお芝居をしてきた中で、自分に染み付いてしまったいろんなものを消していく「リハビリ」みたいなところから始めてみようと。幸い、クランクインの少し前に現場に入ることができたので、つぐみが暮らす一軒家の撮影場所に行って、この家でつぐみはどんな生活をしているんだろう、何を思って生きているんだろうということを、いろいろ考えたんです。この空間でつぐみとして生きるということを、大切にしてみようと思いました。

Q:豊川さんは何か意識したり、気を付けた点などありましたか?

豊川:海江田という男は奈々ちゃんが演じるつぐみによって、どういう見え方をするかが決まると思っていたので、「おんぶに抱っこ」じゃないけど(笑)、まずは彼女にべったり寄り添うことだなと思っていました。海江田は口ではいろいろ言うけれども、意外と自分からつぐみを引っ張っていくような男ではないんですよね。どちらかというと彼女の自主性に任せている感じで、強引さは全くない。何しろ、蹴られたら簡単に転ぶようなおっさんですから(笑)。愛情を伝えたい時に一番大事なのは、そばにいることなんだよというのを愚直なまでに実行している男なので、じゃあ、僕もそうしようと思って、現場で奈々ちゃんに接していました。

Q:そんな豊川さんの感じを、榮倉さんはどう受け止めていたんですか?

榮倉:おっしゃった通りで、いつも寄り添ってくださるという絶対的な安心感があるから、わたしの方こそ「おんぶに抱っこ」で申し訳ないくらいですけど、本当に奔放にさせてもらったというか・・・・。自分が一番現場に居やすいようにさせてもらっていたと思います。

『娚の一生』榮倉奈々&豊川悦司 インタビュー

名シーン「足キス」は、たまたま目の前に足があったから!?

Q:海江田がつぐみの足にキスをするシーンは原作コミックでも人気の場面で、本作でも忠実に再現し、話題になっています。お二人にとってもこの「足キス」のシーンは、特別なものだったのでしょうか?

榮倉:撮影の時は、やっぱり恥ずかしかったですね(笑)。実はいまだにこのシーンだけは、自分でもちゃんと観られていないんです。

豊川:僕も恥ずかしかったですよ。それを奈々ちゃんに悟られないようにと頑張ったつもりです。ただ僕は、このシーンは足にキスをするという行為そのものよりも、そこに至るまでのお芝居の方が難しかった。海江田の心がどんなふうに解放されていったのか、その結果としてのキスなので、海江田にとっては彼女に触れたい、彼女を抱き締めたいという気持ちが高まっていく中で、たまたま目の前の一番近いところにつぐみの足があったから、足にキスしただけなんじゃないかなと思うんです。別に足じゃなくてもどこでも良かったんじゃないかな、きっと(笑)。

榮倉:(笑)。普通に抱き合ってキスをして・・・・というのが、どこか照れくさかったり恥ずかしかったりする、つぐみと海江田さんの気持ちはわかる気がしました。やけに緊張するから、あえて「足にキス」だったんじゃないかと、わたしも思います。

榮倉奈々ヘアメイク:足立真利子 スタイリスト:斉藤くみ(SIGNO)

豊川悦司ヘアメイク:山崎聡 スタイリスト:長瀬哲朗

記事制作 : シネマトゥデイ