【LA発!海外ドラマ事情 vol.3】 好きな時に見る“ネットドラマ”が旬! 若い女性記者とオジさま議員の危ない関係にハマる?

コラム

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文=ロサンゼルス在住ライター 鈴木淨

好きな時に見る“ネットドラマ”が旬! 若い女性記者とオジさま議員の危ない関係にハマる?

(C) Netflix.(R) All Rights Reserved.

「LA発!海外ドラマ事情」というからには、ここらで触れておかねばならない。ここ数年、アメリカで勢力を伸ばしている“ネットドラマ”についてだ。テレビで放送されるドラマではなく、オンラインで配信されるドラマ。初めに大ヒットを飛ばしたのは、すでに日本のファンも多い「ハウス・オブ・カード 野望の階段」だった。

“映像配信の巨人”と呼ばれる米動画配信サイトNetflix(ネットフリックス)が、豊富な資金と会員数を武器に、ハリウッド映画の一線で活躍するフィルムメイカー、俳優らを集めて制作した政界ドラマ。2013年2月に同サイト上でシーズン1が配信されると、瞬く間にブレイクした。

その評判の高さを示すように、この年、ネットドラマでありながらテレビ界の祭典であるエミー賞で作品賞、主演男優賞(ケヴィン・スペイシー)、主演女優賞(ロビン・ライト)など9部門にノミネートされ、監督賞(デヴィッド・フィンチャー)など3部門で受賞(全てドラマ・シリーズの部)。さらにゴールデングローブ賞テレビの部でも4部門にノミネートされ、主演女優賞(ライト)に輝いた。もちろん、いずれもネットドラマとしてはノミネートされるのも初めてのことで、時代の転換点と言える快挙だった。

ネットドラマの魅力は、何と言っても好きな時に好きな場所で見られるところ。1シリーズの全エピソードが一度に配信されるので、好きなだけ見られるという利点も大きい。「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のような面白さだと、途中でやめることができず間違いなく寝不足になるのだが。

ハウス・オブ・カード 野望の階段

全米で大ヒットとなったネットフリックス制作ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」

(C) 2013 MRC II Distribution Company L.P.All Rights Reserved.

「ハウス・オブ・カード」は首都ワシントンで繰り広げられる政界のパワーゲームを描いているが、裏を返せば人間ドラマ。難解さがないのもヒットの要因だろう。ホワイトハウスを目指す政治家フランク(スペイシー)と美しい妻クレア(ライト)が権力欲のために策謀をめぐらす。手段を選ばないフランクは、若い女性政治記者ゾーイ(ケイト・マーラ)を利用しようとするが、やはり出世欲の強いゾーイに逆に利用され、2人の危ない関係は一線を越えていく。それに気づいたクレアは・・・?

不完全で魅力的な登場人物の愛憎劇にハラハラさせられっぱなし。ゾーイを演じるケイト・マーラは、同じくフィンチャー監督が手がけた映画『ドラゴン・タトゥーの女』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたルーニー・マーラの姉。オジさま議員を翻弄するしたたかさと可愛らしさは、確かな演技力に支えられている。ショーン・ペンの元妻、ロビン・ライトの賢い悪妻ぶりにも注目。「ハウス・オブ・カード」は現在、アメリカなどでシーズン3が配信済み。すでにシーズン4の制作も決まっている。

ネットドラマにとって、13年における「ハウス・オブ・カード」の賞レース席巻は、ほんの出発点だった。翌年のゴールデングローブ賞では、同作に加え、やはりNetflixのオリジナル・シリーズで女子刑務所を描いた「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち」も数部門でノミネートされ、さらにAmazonのネットドラマで父親が性転換者となる家族を描いた“Transparent”が、作品賞を戴冠したのだ。

現在もアメリカではネットドラマの快進撃が続き、Netflix、Amazon、Huluなどの動画プラットフォームがウディ・アレン、バズ・ラーマン、スティーヴン・ソダーバーグ、リドリー・スコット、レオナルド・ディカプリオ、アダム・サンドラーら一流のハリウッド映画人と契約し、オリジナル・コンテンツの制作を進めている。

そして、この流れは単に一過性のものではなく、近い将来にやってくるメディア勢力図大転換の序章に過ぎない。メディア界の風雲児となったNetflixのリード・ヘイスティングスCEOが、「テレビ放送の時代は2030年までだろう」と予想するなど、オンラインの動画プラットフォームがテレビや映画館に取って代わる総合的メディアとなる日は近い、というのが米エンタメ界での常識的見通しになっている。

このあたりのことは、今秋に日本上陸を果たすNetflixの情報と合わせ、また別の機会に紹介したい。まずは現在、日本で視聴できる米ネットドラマを見て、最先端の風に触れてみてはいかが?

ハウス・オブ・カード 野望の階段

(C) 2013 MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.

 

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記事制作 : Avanti Press