『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』永作博美 インタビュー

コラム

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

 

これまでに観たことのない作品に仕上がった

 

『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』永作博美 インタビュー

 

『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』の予告動画はこちら

 

台湾出身の女性監督が、現代女性に捧げる感動のヒューマンドラマ『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』。奥能登でばい煎コーヒー店を営みながら、生き別れた父を待つという日々を静かに過ごす女性・岬を演じた永作博美が撮影を振り返った。

 

映画『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』は228日より全国公開

 

取材・文: 南樹里 写真: 上野裕二

 

女優魂を刺激する監督の演出!

 

Q:まずは本作ご出演の経緯からお話しいただけますか。

 

台湾出身の監督が初めて日本で撮影されること、撮影監督はロンドンが拠点であること、というワールドワイドな企画で、既存の枠を飛び出したいという狙いが感じられたので興味を抱きました。それに脚本がとてもシンプルだったので、しっかりとお芝居できると思いました。

 

Q:チアン・ショウチョン監督は、名匠エドワード・ヤン監督の後継者ともされる方ですが、ご一緒されてみていかがでしたか。

 

監督が物語を非常に純粋に捉えているのが印象的でした。その見解がどう演出に重なって、どのような作品になるのか期待しました。現場では通訳さんを介してのやりとりでしたから、普段の現場とは少し雰囲気は異なりますね。それと演出はとても新鮮でした。監督はすごく難しいことをさらりとおっしゃるんですが、自分の持っているものを一度捨ててでも、監督の示す方向に近づくことこそが、わたしの今回の課題だと思って臨みました。改めて振り返っても、本作でのチアン監督と出会いは特別でしたね。

 

Q:ワンシーン、ワンカットの撮影も多かったそうですが、完成版をご覧になって想像していたものとの相違はありましたか?

 

監督は時に客観的で時に俯瞰(ふかん)的。この作品の、脚本の持つ力を信じているからこそ細かい芝居を必要としない。それはすごく難しかったんですが、女優としてはそういう要求をされてうれしかったです。それにカメラを固定したワンシーン、ワンカットという撮り方は個人的には好みの手法です! 最初は心配でしたけど、監督との信頼関係はすぐにできたので信じてついていこうと。監督が「ここはワンカットでいきたい」とおっしゃった時は、すぐに「やってみる」と同意しました。完成作は奥能登の素晴らしい景色を真正面から映す潔さもあり、当初抱いていた期待以上で、これまで観たことのない作品に仕上がっていました。

 

『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』永作博美 インタビュー

 

石川県珠洲市は居心地のいい場所

 

Q:今回演じた吉田岬をどういう女性と捉えましたか?

 

彼女の他者に対する距離感には共感しました。というのも岬はフラットな女性で、余計に前に出ることも、かといって下がり過ぎることもない。その存在感とたたずまいを大事にしたかったです。

 

Q:絵里子役の佐々木希さんは初めてのシングルマザー役でしたが、撮影現場で何かアドバイスされましたか?

 

存在で示すお芝居は難しかったと思います。監督の要求が多いので混乱されることもあったみたいですね。あるシーンでは「すごく悲しいんだけどウキウキして」とか。全ての感情を注ぐようにといった指示があって、その時はかなり悩んでいたみたいだったので、全ては無理だから自分の持っているものを一度捨ててみてはと話し掛けました。あとはお芝居を楽しんでと言いましたね。

 

Q:子役の桜田ひよりちゃん、保田盛凱清くんのお芝居がとても自然でしたが、監督の演出によるものでしょうか。

 

あの子たちが秀逸なんです。特にひよりちゃんはすごくしっかりしていましたね。お芝居も自分で考えているそうですし、こちらが変えるとそれに応じて変えるという。本当に大人で、彼女がいたからわたしも距離を保てたと思います。凱清くんは素顔もあのままです(笑)。

 

Q:本作のロケ地・石川県珠洲市での思い出は?

 

撮影に協力的な方々ばかりで、おかげで役に集中することができました。わたしの誕生日にはお刺身を用意してくださったりして、おいしいものもいっぱいいただきました。すごく居心地のいい場所でした。

 

『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』永作博美 インタビュー

 

女性の生活スタイルの理想形とは?

 

Q:独身の岬は、朽ちかけた舟小屋を改装してばい煎コーヒー店「ヨダカ珈琲」を女性一人で営みます。生活スタイルの一つとして憧れを抱く人も多そうですね。

 

ステキですよね。今作のモデルとなったのは能登半島先端の珠洲市木の浦にある「二三味珈琲shop舟小屋」です。オーナーの二三味さんは撮影現場にも来てくださって、ばい煎の間に何をしていたらいいのか? などいろいろ教えていただきました。二三味さんは、岬と違ってご家族がいらっしゃるんです。実際あの場所で独りぼっちだったら岬のように覚悟していたとしても寂しいはず、わたしは・・・・無理だと思います(笑)。

 

Q:永作さんは同性から見て理想的な年齢の重ね方をされていますが、日常ではどのようなことを心掛けていらっしゃるのですか?

 

「ストレスをためないこと」ですね。わたしの場合は家庭があるので家に帰るとホッと安心します。ストレス解消法は寝ること。今は質の良い睡眠をとる方法を模索中で、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないかな、とか。枕を替えることもしましたけど、まず内面。呼吸法も効果ありますし、適度に体を温めるのがいいみたいです。

 


※最大10MBです。大容量のパケット通信料となりますため、ご注意ください。