【ダレコレ~Dare Collection~ vol.5】 水原希子との意外なコラボも!? 美しすぎる愛の噛ませ犬、ニールス・シュナイダー

コラム

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文=那須千里

『ボヴァリー夫人とパン屋』

ニールス・シュナイダー(左)とジェマ・アータートン
『ボヴァリー夫人とパン屋』

「美人すぎる」という冠は、主に容姿を売りにしない職業に就きながら優れた容姿を持つ女性に対して使われるものですが、美しいことがある意味デフォルトな芸能界においても――そしてそれが男だったとしても、そう言わずにはいられない人がいます。今回はそんな美しすぎる俳優ニールス・シュナイダー。「ダレコレ」では初のフレンチです。

まずは最新公開作『ボヴァリー夫人とパン屋』(15)の写真を見てください。もはや説明は不要でしょう。ギリシャ彫刻のような顔立ちに金髪のふわふわ巻き毛も悩ましいニールスは絵に描いたような美形。好き嫌いは別として誰もが認めるであろう耽美的な美貌。この作品では、その大きくアンニュイな目で、ギュスターヴ・フローベールの小説「ボヴァリー夫人」と同じ名を持つイギリス人主婦、ジェマ・ボヴァリーを虜にしてしまいます。

ここでニールスが演じているのは司法試験を目指す青年エルヴェ。登場からしてジェマが蜂に刺されてパニックになっているところを車で偶然通りがかり病院までお届けする王子っぷりなのですが、美食家のフランス人らしくワインやミネラルウォーターにも一家言持ち、おまけに14世紀に建てられた由緒あるお屋敷に住んでいるという完璧の上塗りです。その後2人が町で再会すると、「うつ状態で落ち込んでるんだ・・・」なんてジェマの母性本能をくすぐりまくり、あれよあれよと情事のお相手に。まさに『昼顔』的な世界。あの斎藤工さんも顔負けのセクシー担当で、本編ではバックショットですがオールヌードも披露していて、均整のとれた体つきがまた美しいのです。

『ボヴァリー夫人とパン屋』

ニールス・シェナイダー
『ボヴァリー夫人とパン屋』

そんなニールスは1987年、パリ生まれの28歳。身長は180cmと体格にも恵まれており、父親は俳優のジャン=ポール・シュナイダー。1歳違いの兄も俳優だったようですが、2003年に亡くなっています。ニールスの美しさを世に知らしめたのが『胸騒ぎの恋人』(10)。今をときめく映画界の若き寵児グザヴィエ・ドランが20歳のときに撮った本作では、ドラン演じるゲイのフランシスと女友達マリーの両方から愛される罪作りな美青年ニコラを演じました。男女3人の三角関係はフランス映画の十八番ですが、ニコラ本人には何の悪気もなさそうに見えて2人を翻弄しまくる小悪魔ぶりは女でも見習いたくなるほど。フランシスとマリーに挟まれて3人がひとつのベッドに寝るシーンでは、何かが起こるのではないかという期待と、もしそうなったらどうしようという背徳感との悶絶で眠れない一夜を過ごせます。

『ボヴァリー夫人とパン屋』

ニールス・シュナイダー(右)とジェマ・アータートン
『ボヴァリー夫人とパン屋』

ただし、ニコラはその美しさゆえに不幸を背負ったキャラクターでもあります。フランシスとマリーはそれぞれに彼に夢中になるも報われず、疲れ果てた挙げ句に2人の間には戦友のような絆が芽生えますが、そのときニコラは蚊帳の外。自業自得とはいえ何とも寂しい立場です。しかしこのそこはかとなく闇を感じさせるたたずまいこそニールスの真骨頂。美しく生まれた者のグロテスクな宿命がニールス自身の姿とも重なって、何ともいえない哀愁と不気味さがさらに観る者を惹きつけるのです。ちなみにニールスはドランの長編監督デビュー作『マイ・マザー』(09)にも、ドラン自ら演じたゲイの高校生が心を傾けそうになる寄宿学校の同級生エリックとして出演しており、とことん愛の噛ませ犬的ポジションを託されています。

ニールスの美貌を逆手に取って闇部分を前面に出し、かつ美の底力を見せつけたのが、アメリカ映画『新・ハウリング』(11)です。4年前の作品ですがニールスは高校生、主人公が好意を寄せる女生徒の彼氏役で、頭より先に手が出るタイプ。あまり暴力的なイメージはありませんが、背が高く耽美な造形はそれだけで迫力があり、自分のガールフレンドに気がある主人公を嫌味たっぷりに威嚇します。ですがニールスの本領発揮はむしろその後です。突如パワーアップした主人公にトイレで殴り倒され、すわった目をして起き上がった彼の鼻の下には、痛々しい血が・・・鼻血が出ていても美しい・・・そう、美しい人には血が似合うのです。ニールスの鼻血を観るだけでもこの映画は一見の価値があります。

顔よし、スタイルよしのニールスは、川島小鳥が撮影したファッションブランドMAISON KITSUNÉのルックブック(2013-2014秋冬シーズン)にイメージモデルとして抜擢されており、水原希子さんと東京の街を歩くつき合いたての恋人同士のような仲睦まじいツーショットも見せています。映画では見られない等身大でラフな横顔は彼の知られざる魅力に触れる手がかりとなるでしょう。

本業でも2011年のカンヌ国際映画祭で若手の気鋭俳優に贈られるショパール・トロフィー賞を受賞しているニールス。恵まれたルックスに溺れることなく、賢くあざとく武器にして、世界を股にかけた映画界のファム・ファタルならぬオム・ファタル街道を突き進んでほしいです。

『ボヴァリー夫人とパン屋』

『ボヴァリー夫人とパン屋』
7月11日シネスイッチ銀座ほかで全国公開
配給:コムストック・グループ、配給協力:クロックワークス
監督・脚本:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ファブリス・ルキーニ、ジェマ・アータートン、ジェイソン・フレミング、ニールス・シュナイダー
(C)2014 – Albertine Productions – Ciné-@ - Gaumont – Cinéfrance 1888 – France 2 Cinéma – British Film Institute

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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