『寄生獣 完結編』染谷将太&橋本愛&山崎貴監督 インタビュー

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『寄生獣 完結編』の予告動画

累計発行部数1,500万部突破を記録した岩明均のコミックを2部作として映画化した『寄生獣』がついに完結。染谷将太と橋本愛、そして山崎貴監督が、2作で一つの物語という壮大なストーリーの中での変化、テーマの深さについて語った。

『寄生獣 完結編』は4月25日より全国公開

取材・文:永野寿彦 写真:尾鷲陽介

2部作のバランス感、際立ってくる里美の存在

Q:2部作ということでの難しい点はありましたか?

山崎貴監督(以下、山崎監督):2作で一つの物語になっているのでバランスが難しかったですね。前作のパラサイトは人間を襲う敵として登場し、主人公である新一はパラサイトと戦う姿勢を示すというところで終わります。が、完結編は人間とパラサイトとの関係を深く描いていくものになるので、どうしてもドラマの要素が大きくなるんです。

染谷将太(以下、染谷):演じる方としては人間の感情としてしっくりくるものがあったので戸惑いはなかったですね。2作品通して新一の線を引いたとしたら、すごく波も激しく複雑な揺れ方をしているんですけど、間違いなく一本筋は通っているので。

橋本愛(以下、橋本):わたしも迷うことはなかったです。新一に対しての距離感、遠いとか近いという単純さではなく、複雑に混線しているかのようなところがあったので、そのあたりの難しさはありましたけど、新一を人間に引き戻すパワーというか強さみたいなものを最後まで見失わないように、ということはずっと意識して演じていました。

Q:パラサイトとの戦いを含めた関係はもちろんですが、新一と里美の関係も本作ではすごく重要なポイントですね。

染谷:新一は、パラサイトへの憎しみや戦いに夢中になっていくあまりに、自分に一番近いところにいる存在が見えなくなっているんですよね。ところが、今回はパラサイトを通して逆に人間が見えてくる。さらに強敵の登場によって自分の力のなさを思い知らされ、そういう状況に追い込まれていったからこそ、本当に大切なものに気付くんです。

橋本:この物語にはそういう美しさがあると思いました。善も悪も見境がなくなって、人間も物事も多面性があって、断定できるものがほぼなくなった状況の中でも一人の人間を信じる、愛し抜くことの美しさを里美の存在を通して感じました。

山崎監督:前回は日常の中でとんでもない事態に巻き込まれ、迷う存在ですけど、それでも新一のことが放っておけない里美がいる。新一がとても強いヤツになって戦い続けていった先に、どうしても勝てないヤツが現れて、頼みの綱であるはずの存在もいなくなったとき、ずっと見守ってくれていた里美の存在が輝くんです。

『寄生獣 完結編』染谷将太&橋本愛&山崎貴監督 インタビュー

生々しいラブシーンは生態観察記録!?

Q:新一と里美の2人のクライマックスともいうべきラブシーン。映画ではあまり見たことないほど、生々しくリアルなシーンでしたが、撮影は大変でしたか?

山崎監督:人間という生き物の記録のつもりで撮影しました。だから生っぽけりゃ生っぽいほどいいなと思って。命とは何かというところまで行き着く物語なので、ある種の生態観察記録だと思っていたんですよ。

橋本:里美は人間の希望の象徴として新一に生命を吹き込む、生きるパワーを与えるというイメージでした。あとは肌と肌が触れ合ったときに伝わる温かみを敏感に感じ取っていれば、画(え)として映るものがあると信じて演じていました。

染谷:状況が状況の中でのラブシーンだったんで、今までにない感じでした。完全に追い詰められている状況ですからね。それと自分の右手がないということも大きくて、それが逆に自分の中ではすごく生々しいと思っていたんです。基本的には監督の言葉を一つ一つ大切に意識しながらやりました。

山崎監督:結構、過酷な要求をしたんですけれど、2人ともばっちり応えてくれました。赤裸々なくらい生々しいラブシーンができて良かったです(笑)。

『寄生獣 完結編』染谷将太&橋本愛&山崎貴監督 インタビュー

これぞSF、人間の原罪に迫る命の物語

Q:人間そのものが描かれたすごい物語だと思いました。

山崎監督:正しいSFストーリーですよね。ストレートに人間の原罪とか言われても「何のこっちゃ」って思うじゃないですか。でも『寄生獣』というSF設定の中で、人間を捕食するパラサイトとの対立を通して、人間は罪を背負って生きていくのだと語られると、「ああなるほどね」って思える。ちゃんと心に届くように作ることができる。SFでしかできないことで人間を描いているんです。

橋本:映画を観ている最中に、人間に対する思いというのが物語の流れに合わせてすごく変わっていったんです。地球に群がる虫のようなイメージすら湧いたりしながらも、最後に人が人を思うことの素晴らしさは何にも代えられないと思える。とても美しい映画だなって思いました。

染谷:確かに素直に思ったのは、ひとことで言えばまさに美しいということでしたね。人間が生きていく、生き物が生きていくっていうのは、汚いところもダメなところも含めて美しいことなんだって。

山崎監督:完結編では映画としての印象が変わると思いますね。原作自体がすごく奥深いものになっているので。そのギャップを面白がってもらって、遠いところまで連れて行けたらうれしいですね。

染谷将太ヘアメイク:AMANO スタイリスト:清水奈緒美

橋本愛ヘアメイク:ナライユミ スタイリスト:岩渕真希 衣装:LIMI feu

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記事制作 : シネマトゥディ(外部サイト)