【LA発!海外ドラマ事情 vol.1】これぞ訴訟社会アメリカの人間ドラマ! 「殺人を無罪にする方法」日本上陸

コラム

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文=ロサンゼルス在住ライター 鈴木淨

「殺人を無罪にする方法」

(c)2014 ABC Studios

昨年9月の放送開始以来、米テレビ界を席巻し続けている衝撃のドラマ「殺人を無罪にする方法」が、間もなく日本でもスタートする。

凄腕の女性弁護士キーティング(ヴィオラ・デイヴィス)が、フィラデルフィアの大学で教鞭を執る。講義の内容はずばり、どう弁護すれば殺人罪を逃れられるか、である。

キーティングにとっては「真実」よりも「裁判に勝つこと」が優先される。訴訟社会の米国ならでは、といったコンセプトだが、その物語はタイトル同様、いやそれ以上にショッキングだ。

彼女の講義は、刑事事件の弁護士を目指す学生たちに大人気。優秀な生徒はキーティングの下で働くことができるため、彼らは血眼になって競う。やがて選ばれた5人は、“恐ろしい事件”に関わることになり・・・。

興味をそそるのは、キーティングが弁護を担当する実際の裁判が教材として使われること。毎回、新たな殺人事件が法廷で裁かれるのと並行し、シーズンを通じて“恐ろしい事件”の謎解きが進む。法廷ドラマ、学生ドラマ、犯罪サスペンスと様々に表情を変えながら、キーティングの心の闇、周りのスタッフや個性豊かな学生それぞれが抱える問題が顔をのぞかせていく。

「殺人を無罪にする方法」

(c)2014 ABC Studios

まずは第1話を見て、その魅力を体感して欲しい。米国のテレビドラマは、まずパイロットと呼ばれる第1話が制作され、その出来によって局がオンエア、連ドラ化などのゴーサインを出す仕組み。よって、制作陣がことさら力を入れるパイロットが面白いのは当然と言えば当然だが、「殺人を無罪にする方法」第1話のクオリティは、他の人気ドラマと比較しても際立っている。

米国では、この第1話がプライムタイムの週間視聴率でドラマ部門1位に輝き、その後も数あるドラマの中、シーズン1の最終話(第15話)まで、1位から4位の間をキープし続けた(平均2.3位)。今年2月末に放送が終了した同シーズンの撮影期間中に、早くもシーズン2の制作が決定している。

刺激的な展開を支える屋台骨は、主演女優ヴィオラ・デイヴィスの演技力。アカデミー賞に2度ノミネートされた(『ダウト~あるカトリック学校で~』『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』)実力で圧倒する。だがそんな彼女でさえ、黒人女優としてドラマ主演の座を得るのは極めて困難だったという。

『ダウト~あるカトリック学校で~』作品詳細

『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』作品詳細

デイヴィスは、「ケリー・ワシントンが流れを変えた。白人以外の女優でも主役を張れるという事実を、皆に気づかせてくれた」とメディアに語っている。ホワイトハウスを舞台としたラブ・サスペンス「スキャンダル」シリーズが黒人女優のワシントンを主役に起用し大成功したことが、デイヴィスの抜擢につながったわけだ。彼女はキーティング役で期待に応える評価を受け、今年1月のゴールデングローブ賞テレビドラマ部門の主演女優賞にノミネートされた。

共演陣の人種も多様性に富む。皆、個性派揃いで、ステレオタイプの「善玉」が存在しないくせ者だらけの群像劇を完成させている。自身の仕事を全うするためには手段を選ばず、しばしば極悪な殺人犯を救うキーティングも、明らかな「悪玉」。そんな主人公たちの毒が、従来の勧善懲悪では割り切れない複雑な社会の毒と混ざり合い、結末としてのカルマを導き出すのか、それとも?

「殺人を無罪にする方法」(全15話)は全国無料のBSテレビ局Dlife(ディーライフ)にて、2015年4月18日(土)22時より日本初放送開始。 〈吹替版〉4月18日(土)放送開始 毎週土曜 22:00~ 〈字幕版〉4月23日(木)放送開始 毎週木曜 26:00~

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)