【ハリウッド★トレンド通信 Vol.2】映画界&音楽界のトレンドセッター“トリプル・ジェシカ”のママ・ビジネスに学ぶこと

コラム

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文=ロサンゼルス在住ライター 町田雪

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第86回アカデミー賞授賞式に出席したジェシカ・ビール Photo by Matt Petit / (C)A.M.P.A.S.

ジェシカと名の付く女性セレブには、親しみやすい美人が多い。そして、ビジネス・センスにも長けているらしい。4月中旬に男の子を出産した女優ジェシカ・ビールはまもなく、キッズ向けレストランをオープン予定。同じく女優のジェシカ・アルバは、エコ・フレンドリーな商品ブランドを全米展開中。歌手のジェシカ・シンプソンは、10年にわたるファッション・ブランド・プロデュースで10億ドルを稼ぐ。女性として、母として、様々な紆余曲折をビジネスに生かしている映画界&音楽界のトレンドセッター“トリプル・ジェシカ”の姿を紹介したい。

スーパースターな歌手の夫ジャスティン・ティンバーレイクとの間に、男児サイラスくんが誕生したばかりの女優ジェシカ・ビール(『テキサス・チェーンソー』『ステルス』『幻影師アイゼンハイム』)。プライベートにはガードの固いジャスティンが、Instagramにアップした幸せそうなビールとベビーの2ショットに、メディアやファンも沸いている。そんなビールには、もうひとつの大事な“出産”が控えている。

ウェストハリウッドのおしゃれ通り、メルローズ・アベニューにキッズ・フレンドリーなレストラン“Au Fudge”をオープン予定なのだ。昨年頭に構想を発表して以来、ソーシャルメディアを通じて、子どもたちが飛びつきそうな虹色のパスタやパン、ソフトクリーム、ヘルシーでこぢんまりした量の(ここポイント!)の大人向けディッシュなどをお披露目してきた。着色料不使用、オーガニックにこだわったというメニューの数々、子どもたちが図画工作やクッキングを楽しめるスペースなど、ハリウッドの新トレンド・スポットとなる要素は十分だ。

ちなみに、夫のジャスティンはレストラン・ビジネスの先輩だが、Au Fudgeについては口出しすることを禁じられているとか。なにせ、ジャスティンが共同オーナーであるニューヨークのBBQレストラン“Southern Hospitality”は、同市衛生局からBレーティングをつけられたことがあるのだ(Aレーティングでないと、衛生面を気にして食べに行かないという人が多い・・・)。妊娠、出産と並行して準備してきただけあり、思い入れたっぷりの大切なプロジェクトなのだから、ジャスティンは静かに見守るべき? オープンしてしばらくは、セレブ・ファミリーで賑わいそうなので、落ち着いた頃に立ち寄ってみたい。

そんなビールと同じく、母としての想いや体験をビジネスに生かしているのが、2人の娘を育てる女優のジェシカ・アルバ(『ファンタスティック・フォー』『シン・シティ』両シリーズ)。子どもや家族に安全なものを使ってほしいという自身の願いを形にしたエコフレンドリーなブランド“The Honest Company”では、オムツやおしり拭き、ボディ・シャンプーなどのベビーケア商品を中心に、ビタミン剤、ママ用品なども展開している。

一般的に安全とされていた赤ちゃん用肌着や洗剤を使っていた長女にアレルギー反応が出たことから、自身であらゆるリサーチをした結果、多くのベビー用品に中毒性の化学物質があることを知ったというアルバ。社名通り、“honest(正直)”な製品開発と玄関口まで商品を届ける定期配達、オーガニック・マーケットからコストコなどの量販店までも網羅する流通網で売り上げを伸ばし、いまや企業価値は10億ドルともいわれている。一時はセクシー女優としてもてはやされたアルバだが、女優としての知名度を上辺だけの話題作りに使うのではなく、“信頼性を上げるための責任”に変える姿勢は潔い。

そして、3人目のジェシカがこれまたすごい。2005年に立ち上げたファッション・ブランド“Jessica Simpson Collection”を通して、洋服から靴、サングラス、ジュエリーまで30種類の商品展開をし、年間10億ドルを稼ぐビジネスを築き上げた歌手のシンプソン。デビュー当時は“次世代のマライア・キャリー”と騒がれたが、その後、歌手としてだけでなく、ファッション・デザイナー、ビジネスオーナーとして、若者たちの支持を得るトレンドセッターに。いまや、ジェイ・Zやグウェン・ステファニーら、他のミュージシャンが展開する人気ファッション・ブランドをはるかに上回るセールスをあげる秘密は、“脱セレブ目線”のビジネス哲学にありそうだ。

以前、米フォーブス誌のインタビューで、「企画ミーティングでは、自分のおばあちゃんに何を着せたいか、娘を可愛く見せてくれるのはどんな服かということを考えているわ」と答えたシンプソン。ゴシップ誌などに指摘され続けた激しい体重の増減も、ビジネス成功のカギとなっているようだ。「地球上のあらゆるサイズになったことがあるから、女性たち皆の気持ちがわかるのよ。それぞれのサイズの女性にあったファッションを知っている。世界はロサンゼルスやニューヨークだけじゃない。アメリカ中部の風土や好みも理解しているわ」。

ともにウェブサイトを展開している女優のグウィネス・パルトロー(『恋に落ちたシェイクスピア』『リプリー』『アイアンマン』)やブレイク・ライヴリー(『旅するジーンズと16歳の夏』、テレビシリーズ「ゴシップガール」)のように、自身のセンスをブランド化するスタイルとも、アンジェリーナ・ジョリー(『17歳のカルテ』『トゥームレイダー』『マレフィセント』)のように、セレブであることを慈善活動に活かすスタイルとも違う、商品クオリティ&顧客サービス重視のスタンス。彼女たちがオーナーでなくなったとしても、ブランドがしっかり生き続けていくようなビジネス・スタイルから、学ぶことは多そうだ。

記事制作 : Avanti Press

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