『バケモノの子』役所広司・宮﨑あおいインタビュー

インタビュー

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 セリフにほとんど「!」

『バケモノの子』役所広司・宮崎あおいインタビュー

『バケモノの子』の予告動画

『時をかける少女』『サマーウォーズ』の細田守監督が3年ぶりに放つ待望の最新作『バケモノの子』。バケモノである熊徹を演じた役所広司と、バケモノに育てられる子・九太を演じた宮﨑あおいが、細田作品に懸けた思いを語った。

『バケモノの子』は7月11日より全国公開

取材・文: 永野寿彦 写真: 高野広美

普通の演技と同じ感覚でのアフレコ

Q:オファーがあったとき、最初にどう思われましたか?

役所広司(以下、役所):僕は細田作品に呼ばれたことがまずうれしかった。ただ、バケモノの役だったので、キャラクターの絵を見せてもらって、この顔に自分の声が合うだろうかと思いました。絵コンテを見せてもらったらアクションも多くて。セリフにほとんど「!」マークが付いていて、叫んでばかりいるような感じだったので。大丈夫かなと思いました(笑)。

宮﨑あおい(以下、宮﨑):わたしも男の子の声ということだったので自分にできるのだろうかという不安が一番大きかったですね。でも、細田監督からまたお声を掛けていただけたことがとてもうれしかったので、全力で男の子になれるように頑張ろうと思いました。

Q:アフレコはどのようにされたんですか?

宮﨑:基本、共演者の皆さんと順序通り収録することができました。アフレコをしているというよりは、普通のお芝居をしているような感覚で演じることができるのが細田監督のやり方なんです。

役所:動かないとできないですね。プロフェッショナルな声優さんたちは声の感じだけでできるんでしょうけど。

宮﨑:役所さんが横で動いている感じも伝わってくるので、声を出しているだけというよりはちゃんと気持ちが動いてできました。

役所:僕たち実写の俳優は、体を動かして演じているんだと実感しました。

『バケモノの子』役所広司・宮崎あおいインタビュー

意識した根っこにある愛情

Q:それぞれキャラクターについて細田監督から注文はありましたか?

役所:前半の熊徹と後半の熊徹は、何か変化が出るといいですねと話をされていました。

宮﨑:テストで1回収録したときに、そんな感じで、と言っていただきました。

役所:監督は、褒め上手ですよ。

宮﨑:ええ、褒め上手ですね(笑)。

役所:褒めながらもう1回やってみましょうかって感じですね。褒めておいて、じゃ今度はこんな感じでやってみましょうかと。そうやってこだわっているところは何回も収録していたと思います。

Q:演じる上で最も大切にしたことは何ですか?

役所:やはり九太との関係ですね。熊徹は孤独なヤツだったと思うんです。それが九太に出会って、初めて人の役に立つことをする。いくら怒鳴っていようがののしり合っていようが、根っこに愛情があるということを意識しました。

宮﨑:わたしが演じたのは九太の少年時代なので、途中から青年時代を演じる染谷(将太)くんにバトンタッチすることになる。だから、うまくバトンタッチができるように、というのは気を付けていました。染谷くんの声はどこかで意識していましたね。バトンタッチするいくつか前のシーンぐらいから、意識的に大人っぽい声を出すようにしました。自分の収録が終わった後は「よろしくお願いします」と染谷くんに言いました。

『バケモノの子』役所広司・宮崎あおいインタビュー

手描きで作られた力強い表現

Q:演者として参加して感じた、細田監督作の魅力は?

宮﨑:役所さんと一緒に制作現場を見させていただいたのですが、本当に一人一人時間をかけて、手描きで背景を描かれていました。こうやってたくさんのプロフェッショナルな方たちが集まって、しかもその人たちのことを細田監督がすごく尊敬している。そういう人たちが集まっているからこそ、人の心に届く作品になっているんだと改めて感じました。

役所:コンピューターではなく、鉛筆や筆を使って人の手で作っている。それがきっとお客さんにも伝わるはずだと、細田監督は信じているんですよね。それが温かみであったり、最終的には表現として何か力強かったり、深いものになっているのだと思います。

宮﨑:絵を描かれている方たちのいろいろなアイデアもたくさんちりばめられています。シンプルにストーリーを楽しんでもらいたいのもありますけど、本当にたくさんの方が関わって映画ができているので、そういう方たちのこだわりも無意識に感じ取ってもらいたいですね。

役所:普遍的なテーマで、古くならないような物語という感じがします。絵の表現ももちろん、本当に優しい人間、美しい人間の心が表現されているので。幅広い人たちに愛される映画だと思います。だから親子で観た後で、親子の関係がより良くなっていればいいですね。劇場を出るとき、大人にも子供にもきっと何かを受け取ってもらえる、本当に良い映画になっていると思います。


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記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)