【ぽっちゃりイケメン一本釣り! vol.5】 体感温度が違っても共に発汗したい! あまりにキュート! 塚地武雅を愛でる喜び

コラム

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文=皆川ちか

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塚地武雅

ぽっちゃりメン(略してぽちゃメン)にとって生きづらい、受難の季節がやってきた――その名も夏。え? なぜ夏が彼らにとって、受難の季節であるかって? その理由は、映画『間宮兄弟』(06)で塚地武雅が演じた間宮弟こと、間宮徹信の名台詞を引用してお答えしよう。

「体感温度がちがうんだから!」

そのとおり。羽毛布団のように柔らかく、電気毛布のように温かいぽちゃメンの肉体は、寒い季節の冬は無敵だ。猫のようにすりすりして、その温もりを分けてほしい、私を温めてほしい・・・・・・と、切望する冷え性の女子もさぞ多いことだろう。

しかーし、太陽がぎらぎらと照りつける灼熱地獄の季節となると、彼らの肉体の価値は100から0、いやマイナス単位へと真っ逆さまに凋落する。

「暑苦しい」「見苦しい」「汗かきすぎ」

間宮弟がシャウトするまでもなく、この季節、ぽちゃメンに対する女子の視線は、氷点下よりも冷たくなる。

お笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地が主演に抜擢された『間宮兄弟』は、兄弟ドラマの秀作であると同時に、ぽちゃメンにとっての受難の季節、夏における彼らの生態を克明に描いている映画でもある。

間宮兄弟は、いい年こいて仲良しこよしの、独身、草食、マニア男子だ。痩せ型で長身の兄・明信(佐々木蔵之介)とは体感温度が異なるので、塚地演じる弟・徹信は、この季節、常に自分の傍らに小型扇風機をセットしている。職場では、汗を拭くためのタオルを常時首にかけ、少しでも細身に見えるよう、ストライプや格子柄の服を好んで着用する。

心優しく繊細で、お母さん思いの彼だけれど、そのぽっちゃりとした体型と童顔のせいだろうか、女性から異性として見られないことに悩んでいる。しかし、それもまた仕方がないともいえよう。本作で塚地武雅が演じる徹信は、男にしてはあまりにかわいく、あまりにキュートだ。

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塚地武雅(左)と佐々木蔵之介
『間宮兄弟』
(c)2006『間宮兄弟』製作委員会

たとえば、寝るときは、常にまん丸としたお腹の上に、手のひらを置いて眠る徹信。お菓子を食べるときは、両手でしっかりとつかんで、げっ歯類のようにポリポリと一心不乱にかじる徹信。遊ぶときは、丸い背中を丸くかがめ、無心の目つきでUFOキャッチャーに興じる徹信。

ぽっちゃりとした体型に愛らしい仕草が絶妙に合って、それはまるで男というより、もふもふ系の動物を眺めている気分になってくる。

そしてまた、オスの匂いを感じさせないという点は、実は男性としてポイントが高い。なぜならば、オスっぽくないということは、がっつかない、焦らない、女性に対してプレッシャーをかけない、ということでもあるからだ。その証拠に、劇中で間宮兄弟をさんざん振り回すことになる本間姉妹の妹、夕美(注:彼氏もち)は、ひと回りほども年齢のちがう徹信と次第に仲良くなってゆき、ついにはバックハグまでして、耳元でそっとささやく。

「友情の抱擁だから」

恋愛の抱擁ならいざ知らず、友情の抱擁を、それも女性の方からしていただくなんて、そんじょそこいらの男にできる芸当ではない。だがそれも、間宮弟に扮する塚地自身から醸し出されるもふもふ感と、愛らしさがあってこその説得力である。

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『間宮兄弟』
(c)2006『間宮兄弟』製作委員会

そんな塚地のチャームを全面的にフィーチャーした、おそらくは彼あってこそ成立したであろう主演映画2作目が、『ハンサム★スーツ』(08)である。この作品で彼が演じるのは、自分の容姿にコンプレックスを抱いている男、琢郎、通称“豚郎”・・・・・・って、ひでーなおい! 琢郎は、料理上手で優しくて、友だち思いで人気者。モテる男の要素をすべて搭載しているが、それらのハイスペックをもってしても、彼はモテない。

塚地でモテないのなら、谷原でモテればいいじゃない? というマリー・アントワネット的発想で、ハンサムスーツを装着した塚地、ではなく琢郎は、瞬時にして谷原章介、ではなく史上最強のハンサム野郎、光山杏仁に変身。モテライフを満喫するが・・・・・・。

美醜なるものに対する誤解や偏見、思い込みを、ベタな笑いとポップな演出で展開しつつ、物語が進行するにつれて、琢郎がどんどん、かわいらしくもいじらしく見えてくる。ぱっちりとした二重まぶたと、ぷくぷくほっぺ。そして、もふもふ系の生き物のような体型で元気いっぱい動きまわる姿を見ていると、いつのまにか、こちらの心も弾んでくる。

オスの匂いを感じさせない、もふもふとした、かわいい生き物――塚地のそんな魅力をさらに進化、発展させたのが、NHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」における人気キャラクター、イカ大王であろう。人類キャラを超えてイカキャラ、それも大王になるあたりは、さすがとしか言いようがない。カイゼルひげがまたダンディだ。

あらゆるぽちゃメンにとって生きづらい、受難の季節、それは夏。こんな季節だからこそ、むしろぽちゃに触れたい、撫でたい、ハグしたい(それもバックハグ)。そして、共に発汗したい・・・・・・塚地武雅を見ていると、そんな“愛でたい”欲がきゅんきゅんと、刺激されてきてしまう。

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『間宮兄弟』
監督:森田芳光
DVD&Blu-ray発売中
DVD:2381円(税抜)/Blu-ray:3800円(税込)
発売:アスミック・エース、小学館 販売:(DVD)KADOKAWA/(Blu-ray)TCエンタテインメント
(c)2006『間宮兄弟』製作委員会

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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