『ラブ&ピース』長谷川博己・麻生久美子インタビュー

インタビュー

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思いっきり演技したらカメに負けた

『ラブ&ピース』長谷川博己・麻生久美子インタビュー

『ラブ&ピース』の予告動画

鬼才・園子温監督の最新作『ラブ&ピース』で、一匹のカメによって運命が変わる、さえないサラリーマンの鈴木を演じた長谷川博己と、鈴木がほのかな思いを寄せる裕子を演じた麻生久美子が、撮影時の裏話を明かした。

『ラブ&ピース』は全国公開中

取材・文: 斉藤由紀子 写真: 杉映貴子

長谷川が裏方となって人形を操作!

Q:奇想天外なのに泣けてしまう、とてもユニークな作品ですね。

長谷川博己(以下、長谷川):僕もジーンときました。なぜなのかよくわからないんですけど、懐かしいものを思い出して観ているのかな、という気がしました。

麻生久美子(以下、麻生):そうですね。わたし、台本を読んだときは、もっとファンタジー色が強いように感じていたんです。でも、実際はちゃんと現実的な終わり方をしていて、そこがすごく印象に残っています。

長谷川:園さんが自由な発想で作られた、ものすごく解放された作品ですよね。とんがっている部分もあって、いろんなことを想像させられる。観る人たちに無意識に訴え掛ける何かがありますよね。

Q:言葉を得たおもちゃたちと地下世界で暮らす謎の老人を、西田敏行さんが演じています。お二人が西田さんとお話しする機会はあったんですか?

麻生:わたしはなかったんですけど、長谷川さんは西田さんのシーンをお手伝いしに行かれたんですよね?

長谷川:行きました。人形や車のおもちゃを「よーい、スタート!」で動かしたりしていました(笑)。

Q:自発的にお手伝いをされたんですか?

長谷川:いえ、園さんから「西田さんの撮影を見においでよ」って言われて(笑)。それでスタジオに行ったら、撮影も手伝うことになりまして。

麻生:え? そうだったんですか! わたしもお手伝いしたかったなあ(笑)。

『ラブ&ピース』長谷川博己・麻生久美子インタビュー

カメのかわいさに負けた!?

Q:さえないサラリーマンからロックスターに成り上がる鈴木。長谷川さんの弾けっぷりが最高でした。

長谷川:最初は悩んだんです。まったく何もやらないほうがいいのか、寓話(ぐうわ)だと捉えて、思いっきりやったほうがいいのか。結果、思いっきりやってみたんですけど、完成版を観たときに、「何もしていないカメに負けた」と思いました(苦笑)。

麻生:そんなことはないですよ! まあ、カメは本当にかわいかったですけどね(笑)。

長谷川:麻生さんがカメを初めて見るシーンで、ものすごく笑うんですよ。つられて爆笑しちゃいました。カメを相手に真面目な芝居をしていたので、一歩間違うと笑いが止まらなくなるんです。

麻生:そうでしたね。現場にカメの本物と撮影用のダミーがいて、シーンごとに替えていたんですけど、わたし、ダミーのときがダメでした。もう、おかしくて・・・・・・。

長谷川:スタッフさんがダミーのカメを機械音のような変な音を出しながら動かすんです。それを見ただけで笑ってしまうことが何度かありましたね。

Q:麻生さんの色気ゼロのメガネ女子キャラも新鮮でした。

麻生:これまでも、地味でモテない女の役はやりましたけど、今回は本当に、ダサくて地味な女。今までにない感じでしたね。赤いドレスを手に取るシーンがあるんですけど、着せてはもらえなくて悲しかったです(笑)。

『ラブ&ピース』長谷川博己・麻生久美子インタビュー

何でもできる長谷川に、麻生が「ズルイ!」

Q:園監督の演出は厳しいと言う方もいらっしゃいますが、今回はいかがでしたか?

麻生:ぜんぜん厳しくはなかったです。本番中に「笑わないで!」って言われたくらいですかね。わたし、ちょっと口角が上がっただけで笑って見えてしまうらしくて。

長谷川:麻生さんは、少し笑っただけで華やかな感じがするんですよね。絶対に笑ってはいけないから、その反動で吹くことが多かったかも(笑)。

麻生:あー、そうかもしれない(笑)。監督もすごく楽しそうにしていらっしゃいましたよね。

長谷川:園さんは、今回のようなハートウォーミングな映画を作っているときは優しくて、バイオレンスを撮っているときはピリピリしているように見えるんです。映画の状況とご本人の状況が一緒のような感じがします。

Q:お二人は初共演されて、お互いのイメージに変化などありましたか?

長谷川:麻生さんはお会いする前から、天真爛漫(らんまん)で純粋な女性なんだろうと思っていたんですけど、本当にそういう方です。ご本人の前だから照れちゃいますけど・・・・・・(苦笑)。

麻生:わたし、長谷川さんは透明感のある方だと思っていて、実際もそのままの方だと思いました。何色にも染まっていない、何でもできるプロフェッショナルな俳優さんです。パフォーマンスも歌もお上手でしたよね。ああいうのって、ちょっと練習したくらいじゃできないと思うんです。なんで、そんなに何でもできちゃうんですか?

長谷川:いや、何でもなんてできないですよ(笑)。今回は、ギターはかなり練習しましたけどね。撮影に入る前に、ちょうど映画館で『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD 1987』という作品を観たんです。1980年代に熊本の阿蘇でやったライブイベントの映画で、ザ・ブルーハーツとかBOOWYなどが出ていて、すごく面白かった。ミュージシャンのシーンは、忌野清志郎さんとか、あの当時のロックバンドの雰囲気を意識していました。

麻生:本当にすごいです! ちょっとズルイと思うくらい、すごい長谷川さんが見られる映画だと思います。

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記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)