『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』三浦春馬インタビュー

インタビュー

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自分自身と向き合うきっかけになった

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実写化不可能とされた諫山創による人気漫画が、ついに実写映画・前編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』として完成。人を食う巨人に支配された世界で、生き残りを懸けた戦いに挑む主人公のエレンを演じた三浦春馬が、撮影時の裏話を語った。

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は8月1日より全国公開

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

「進撃」の世界で生きられる喜びと重圧

Q:世間が注目する中、実写版『進撃の巨人』の主役を演じることになったときのお気持ちは?

まさか自分が主役をやらせていただけるなんて思っていなかったので、信じられない気持ちでした。「最前線でやってほしい」というオファーはあったんですけど、その時点ではエレンというキャラクターを主役に置くのか、違うキャラクターにするのか、具体的には決まっていない部分もあったし、台本もまだ決定稿ではなかったです。ただ、原作のファンだったので、「進撃」の世界に生きられる! という喜びはありました。

Q:プレッシャーよりも、喜びのほうが大きかったんですか?

プレッシャーはありました。世間の人はどういうふうに感じるんだろうとか、何て言われるんだろうとか……。でも、自分のエレンがどう思われるかということよりも、この作品が夏の思い出の一つとして皆さんの心の中に残ってくれればいいと思って、それを僕自身の楽しみとして挑みました。

Q:実写版のエレンは、原作とは多少異なるキャラクター設定のようですが、三浦さんはどのように捉えていたのでしょう?

原作のエレンは10代の少年だけど、映画では自分の置かれている現状に漠然とした不満がある、何に向かって突き進んでいったらいいのかわからない青年として描かれているんです。でも、性格上の部分では、何かを達成しようとする強い気持ちが根底にあって、それが直球勝負だから青くさく見えてしまうような、大きな内側のパワーを持っている人物だと思うんです。その点は、原作にも映画にも共通する部分だと思っていました。

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見えないものと見えない場所で激闘!

Q:台本を読んだときの印象と、仕上がった映像のイメージはマッチするものでしたか? 

特撮映画の要素も多いので、「こんな映像になっているんだ!」と、自分の想像を超えることが大半でした。僕たちはグリーンバックの壁と床で、自分自身の想像力と戦っていましたからね(笑)。僕らは、お客さまが観てくださる映画とは、また違った感動をもらっちゃっているんです。

Q:アレがこうなったのか! みたいな感じですか?

そのアレすらなかった状態だったんですよ(笑)。例えば、アレというものがあった場面で言うと、巨人の口の中にいるアルミン(本郷奏多)を救出しようとするシーンも、歯のない青い口型の巨大模型の中で、本郷さんと2人でヨダレに見立てたローションまみれになりながら、「アルミン!」「エレン!」と、超大真面目に演じていたんです。映像だとちゃんと歯が生えた口の中になっていますけど、僕らが現場で見ていたものはまったく違いました。そんな状況の中でやっていたのに、きちんと映像が合成されている。それだけで、僕は感動してしまうんですよ。特撮がどれほどすごいことなのか、わかってもらえたらうれしいです。

Q:それほど何もない中で、どのように想像の演技をされたのですか?

樋口(真嗣)監督が細かい絵コンテを描いてくださって、現場でも「すごい毛深いです!」「すごい体臭がします!」とか、監督の中の巨人像を大声で言ってもらいました。役者の動きのタイミングは、音のキュー出しやレーザーポインターの合図に合わせていたんですけど、ワンショットよりもグループショットのときが大変でしたね。全員が同じ目線で巨人を見ているはずなのに、一人だけ全然違うところを見ているように映ってしまうこともあったりして、撮り直しをすることも何度かありました。

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主役でいることが苦しくもあった

Q:空を飛び回る立体起動装置(巨人戦用の装置)のワイヤーアクションも見どころですが、その撮影でもご苦労があったんでしょうね?

ワイヤーアクションって、一人ではできないんですよね。ワイヤーでつられているので、自分だけではその位置から動けないし、アクションコーディネーターの皆さんが引っ張ってくれないと躍動感も出ないんです。しかも、立体起動装置を操作しているという芝居がそこに加わるんですよ。宙を飛びながら操作をして、その一瞬の間にカメラ目線でエレンの感情を表現するなど、かなりスピーディーなアクションでした。なかなかうまくいかないときもあって、大変な時間をスタッフの皆さんと共有したような気がします。

Q:相当ハードな撮影だったようですね。現場自体が戦場のような感じだったのでは?

まさに戦いでした。セットもすごかったし、スタッフさん、キャストさんの数や、エキストラさんに協力していただく時間も多くて、本当に多くのエネルギーが動いた現場でした。

Q:その戦いを経て、何を得ましたか?

全てが初めての体験だったんです。ワイヤーアクションもそうですし、こんなに関わる方々の人数が多い現場というのも初めてで……。その中で、「主役でいることのスタンスって何なんだろう」って、常に考えていましたね。周囲の人から、「よっ、座長!」とか言われるんですけど、そう言われることが結構苦しくもあったんです。だって、自分では座長としての役割をきちんと果たせているという実感があまりないので……。そんな中、今回の撮影では、どんな状況でも自分の心の位置を真ん中にしておく、ということを学びました。すごくいい経験でしたね。
記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)