ハリウッド映画の“イタリアロケ”ブームが到来?

コラム

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

LA記者:石橋朋子

ハリウッド映画の“イタリアロケ”ブームが到来?

“Cinecittà”の公式サイトより

業界用語に“ランナウェイ・プロダクションズ”という言葉があるように、多くのハリウッド映画がハリウッドで撮影されなくなってから久しい。カナダやニュージーランド、イギリス、ルーマニアといったところがこの20年間ほど撮影されることが多かった地域。それに加え、昨年あたりからはイタリアが注目されている。

ローマの老舗映画スタジオ、チネチッタは、1937年に当時のムッソリーニ首相が設立して以来、ヨーロッパ映画製作の中心的撮影所として栄えた。かつてフェデリコ・フェリーニやルキノ・ヴィスコンティといった巨匠が次々と名作を生み出した撮影所としても有名だ。イタリア映画以外にも、『ベン・ハー』や『クレオパトラ』といったハリウッド大作も撮影され、全盛期を迎えた。

その後、経営不振に陥り、破産の危機にも直面したが、97年に民営化され、細々と運営を続けてきた。2007年と2012年に火事に見舞われたあと、施設やオフィスビルの増設、ホテル建設などが計画されたが、従業員らの反対で保留に。

そんな中でハリウッドを再び惹きつけるきっかけとなったのが、イタリアによる外国映画への税優遇策だ。昨年5月、伊政府は国内で撮影される外国映画に対し、新しい法律を施行した。米エンタテインメント紙「バラエティ」によると、ハリウッドにとって大きな魅力となったのは、他の国で設けられている税額控除制度が撮影終了後の払い戻しであるのに対し、イタリアでは撮影進行中にも現金精算が可能である点だという。

ドル高ユーロ安の後押しもあり、早速、今年公開予定のジェームス・ボンド作品『007 スペクター』やロン・ハワード監督の次回作“Inferno”、『ズーランダー』の続編、『ベン・ハー』のリメイク版などが撮影されている。

リメイク版『ベン・ハー』では、2007年の火事で焼失を免れた1959年のウィリアム・ワイラー監督&チャールトン・ヘストン主演版のセットを使うことなく、すべて新しく作り直されたという。

チネチッタでは、昨年7月、スタジオの近くに映画をテーマにしたアミューズメントパークをオープンする予定。年間150万人の入場者を見込んでいると言う。

チネチッタが、イタリアが、再び世界の映画製作の拠点として息を吹き返す日も近いかもしれない。

記事制作 : The WOWOW Times(外部サイト)