『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』向井理インタビュー

インタビュー

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自分が試されていると感じた

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連続ドラマ放送と同時に映画化も発表されていた「S−最後の警官−」。アクション満載の本作で特殊部隊NPSの一員を演じた主演の向井理が、作品への深い思いや、共に作品作りに取り組んだ仲間たちについて語った。

映画『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』は8月29日より全国公開

取材・文:早川あゆみ 写真:高野広美

想像しきれないスケールの撮影

Q:劇場版の台本を最初にお読みになったときの感想は?

ドラマに比べて壮大な物語になったと思いましたが、セリフが少なくていい意味で細かい指定がありませんでした。輸送船がシージャックされる話なのでCGが多くなりますし、アクションシーンは台本で2~3行でも、1日がかりで撮影したりしますから、僕には想像しきれなかった(笑)。現場で柔軟に対応しないといけない台本だと思いました。撮影では、平野俊一監督がイメージしたものをどう体現するか、今日撮るシーンはどういうシーンなのかを理解するのが大事だったので、僕自身はあまり事前に読み込んでどうこういうのはなかったです

Q:アクションシーンがとても派手ですが、撮影はご苦労も多かったのでは?

タンカーでの撮影やヘリの空撮が多かったので、単純に規模が大きくて時間がかかりました。実際の船をお借りしたんですが、狭くて危ないし、重いアサルトスーツを着用したまま急な階段を駆け上がったりしましたから、初日は筋肉痛になりました。体力的には毎日つらかったです。ただ、クランクインの前から殺陣の稽古はさせていただきましたし、現場に入れば演じるだけなので、比較的スムーズな進行だったと思います。クライマックスのオダギリジョーさんとの対決は、撮影に2日はかかるかと思いましたが、20時間くらいで終わりましたね。撮影が終了したのは、朝4時でしたけど(笑)。

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ドラマから続く強い信頼関係

Q:連続ドラマとの違いはどんなところでしたか?

映画の撮影監督でもある山本英夫カメラマンとドラマからご一緒させていただいていたので、その醍醐味(だいごみ)をあらためて感じることができました。映像の迫力はすごいと思います。でも、ずっと同じチームでやっていますし、それほど「変わったな」という印象はありませんでした。アサルトスーツを着ると自然に一號になるというか。クランクインの日、一瞬だけ懐かしいなって思いましたが、撮影が始まったら全然。ドラマからつながっている感じでした。

Q:チームワークがきっちり出来上がっているということですね。

「仲が良い」というのはすごく甘い言い方ですけど、言いたいことを言い合ってぶつかるときはぶつかってきたので、その分、スタッフも含めて信頼関係が強いんです。撮影中はもちろん、撮影のないときもみんなで飲みに行ったりしています。撮影が大変になることはわかっていましたが、いい仲間たちとやっていけるのは楽しみでしたし、実際にストレスなく、いい時間を過ごせたと思います。

Q:ドラマのときに事件に絡んだNPSメンバーの家族や恋人のその後がさりげなく描かれていました。

彼らにとっての大切なものを見せることで、彼らも生身の人間で、バックボーンがちゃんとある中で命を懸けているのがわかります。作品のテーマにつながる部分だと思いますから、本当はもっと描きたいんですけどね。でも短い時間の中で、しかも緊急事態が起きているので、あまりボリュームが多いとバランスが悪くなってしまうんです。

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一號の成長と自身の期待

Q:猪突(ちょとつ)猛進だった一號が、今回は立ち止まって考えることができる大人になっていましたね。

ドラマは一號の成長物語だったと僕は思っています。周囲に影響され、また影響を与えていき、一番伸びしろがあるのが一號でした。あれから1年たっていますし、ある程度成長してないと一號がかわいそうだなと。ドラマでは、素手で特殊部隊に突っ込んでいくような未熟ゆえの無謀さもありましたが(笑)、今回はちゃんとシールドを装備して活動する姿を見せることで、一號というキャラクターがきちんと出せたと思います。台本では、わかりやすい成長はあまり描かれてないので、声の大きさや表情とか、細かいところは自分でつくっていきました。自分が試されているんだと思いましたし、そこはかなりデリケートにやったつもりです。

Q:ファンにとっては、蘇我(綾野剛)との「語らずともわかり合える」距離感はグッとくると思いますが、ツーショットが少なめなのは少々寂しいのでは?

すでに説明する必要がない関係になっていますし、セリフでダラダラやるとうそくさくなるのでいいさじ加減だったと思いますが、確かに少なかったですよね。なので、僕らは「次」を期待しています。このチームがすごく好きなので、またぜひ一緒にやりたい。原作も続いていますし、キャラクターが立っていますから、スピンオフ的なものはいくらでも想像できます。

Q:素晴らしいチームワークで、スケールの大きな作品が出来上がったということですね。

今やれる限りを尽くした集大成の映画になりましたので、ぜひ映画館という非日常の中でそのスケールを感じてほしいです。大切なものを守るために一生懸命戦う人の後姿はカッコいいと思います。それに、SATなど実際に戦っている方たちを少しでも思い出していただけたら、その方たちも喜んでくださると思います。

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)