“へなちょこ”vs“中年”テディベア この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!

コラム

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文=皆川ちか

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
(左)『クーキー』(c)2010 Biograf Jan Svêrák, Phoenix Film investments,Ceská televize a RWE.
(右)『テッド2』(c)Iloura/Universal Pictures and Media Rights Capital

今、ベアがキテる。

え、どこにどこに? と、冷静な口調で突っ込むのは、野暮ってもんですぜ、お嬢さん。そんな貴女の背後に、そっと忍び寄ってきている2頭のベアの息づかい。敏感な貴女ならきっと、すでにうすうす気づいているはずだ。

ご安心を。ベアといってもグリズリーやらヒグマやらの、リアルで殺傷能力の高いベアではない。ベアはベアでも頭に「テディ」の字がつくベア――そう、テディベア映画が、奇しくも今月、2本も公開されるのだ。

1本目は、捨てられたテディベアが、持ち主の少年と再会するためにゴミ捨て場から冒険の旅に出る、アニメ王国チェコ発の驚異のパペットアニメーション『クーキー』(8月22日公開)。

キャッチコピーは、「世界一“へなちょこ”なテディベア!」(映画チラシより)

2本目は、見た目はキュート、中身はオヤジのテディベアが、ビールを飲んだりナンパをしたり、やりたい放題に大活躍(?)して大ヒットしたコメディ映画『テッド』の続編、『テッド2』(8月28日公開)。

キャッチコピーは、「世界一ダメなテディベア」(映画資料より)

方やへなちょこ、方やダメ。おいおい、仮にもベアともあろう君たちが、何を謙遜しているのかな? よし! ここはひとつ、クーキーとテッドのそれぞれのチャームポイントと共通点を取り上げて、彼らのどちらがより乙女心に訴えるか、ベアとして魅力的かを検証してみようと思う。

勝負1:ブロマンス度

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
親友歴30年のジョンとブロマンスを育むテッド
『テッド2』(C)Tippett Studio/Universal Pictures and Media Rights Capital

ブロマンスとは、ブラザーとロマンスを合体させた造語で“男同士の熱い友情”を意味する。テッドには親友歴30年のジョン(マーク・ウォールバーグ)がいて、「俺たちはサンダー・バディ(雷兄弟)だ!」と、自称するほどキャッキャウフフな友情を築いている。仲がいいのはけっこうだけど、女性からするとちょっとウザい・・・の域かもしれない。

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
離れていても互いの無事を祈りあうクーキーとオンドラ
『クーキー』(c)2010 Biograf Jan Svêrák, Phoenix Film investments, Ceská televize a RWE.

クーキーもまた、持ち主のオンドラとは心と心で結ばれた仲だ。離れていても互いの無事を祈りあい、その様子はまるでテレパシーで会話をしているかのよう。でもクーキー、壊れかけの携帯でオンドラの家に電話をかけて、ママが出るなり「僕だよ」と話しかけるのは、一歩まちがったらホラーになるので気をつけて!

結果:引き分け。

勝負2:ワイルド度

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
タミ=リンとの新婚生活をおくるテッド
『テッド2』(c)Universal Pictures and Media Rights Capital

いくらテディとはいえベアなのだから、やはりワイルドでありたい。ワイルド、それは野生の証明。雄としてのアイデンティティ。売られたケンカは買い、果敢に女性にアタックし、玉砕も上等。そのタフさ、めげなさ、ゆるぎなさこそが、真の意味でのワイルドアニマル。

それでいうならテッドはまさに存在自体が肉食系だ。恋人タミ=リン(ジェシカ・バース)には出会った直後にモーションをかけ、職場でエッチに及び、アソビの関係かと思いきや、ちゃんと結婚まで至る男気もあったりする。

さらにケンカも強い。約76cmという小柄な身長をものともせず、サンダー・バディであるジョンをフルボッコする容赦のなさを見せることも。それでいて、離婚の傷から立ち直れずにいるジョンに、「恋人をつくれ!」と背中を押すアニキ気質も備えているのだから・・・ここは満場一致でテッドの勝ちと、ジャッジせざるを得ませんな。

結果:勝者、テッド。

勝負3:プリティ度

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
雪道を爆走する森の村長ヘルゴットの車の助手席にちょこんと座るクーキー
『クーキー』(c)2010 Biograf Jan Svêrák, Phoenix Film investments, Ceská televize a RWE.

ぬいぐるみにとって何にも増して大切なもの、それはプリティ。なにしろ、かわいくなければいつリストラ(廃棄処分)されるやもしれない身の上だ。クーキーの場合は、オンドラがぜん息のため、心配した母親に捨てられたわけだけど、それでも、オンドラにとってクーキーの代わりなどいない。

ベアにあるまじきキュートな物腰のクーキーは、頑固者の森の村長ヘルゴットをも魅了する。「今夜だけ泊めて」と自宅に押しかけて、寝る前に「おやすみのキスは?」とおねだりして、しかも「一人で寝るのは怖くて・・・」と、ごく自然に添い寝へと持ち込む。

おまえは女子か! それも超レベル高い系の。

ほかにも「僕、すぐ眠くなっちゃうんだ」「笑ってるみたいな顔なのは生まれつきだよ」と、キュート極まりない発言の連発に加え、水に濡れたら自ら身体を絞ったり、追っ手から身を隠そうとして葉っぱを頭にかぶせたり、と、動きのひとつひとつが壮絶にかわいらしく、見ていてもうキュン死寸前。

さすが・・・プロのぬいぐるみ。ランニング一枚でビールをラッパ飲みするテッドと、同じ種とは思えない。

結果:勝者、クーキー。

勝負4:グッズ展開

ムーミン然り、チェブラーシカ然り。キャラクターといえばグッズである(身もふたもない文言)。そこで、クーキーとテッド、それぞれのグッズ展開を調べてみた。

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
オシャレセンスが光るクーキーグッズ
>>『クーキー』のグッズ情報はこちら

クーキーの場合、基本のぬいぐるみをはじめ、Tシャツ、マグカップ、トートバッグに缶バッジのほか、コラボHATやオリジナルネイル。さらに人気カフェ「sunday brunch」とのコラボレーションケーキといったオシャレ戦術を展開している。

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!
モッフモフ感を堪能できるテッドのぬいぐるみ
>>『テッド2』のグッズ情報はこちら

対照的にテッドは、全裸バージョンに加えて各種シチュエーションに応じた3パターンのぬいぐるみ、ハンドパペットにフェイスクッションなど、テッドのチャームポイントであるモフモフ感を最大限に活かしたグッズをそろえている。

オシャレでかわいい乙女系クーキーグッズと、モフモフ感に癒される触感系テッドグッズ・・・これは・・・どちらも甲乙つけがたいうえ、鮮やかなほどカブらないので、ジャッジなんて無粋な行為はこのへんで中止にしよう。

結果:引き分け。

と、いうわけで双方一勝一敗二引き分けという好勝負を繰り広げたクーキーとテッドだが、貴女のお好みはどちら? プリティ&へなちょこベアのクーキーと、ワイルド&ダメベアのテッド。ベアの概念を覆す彼らが――もうすぐ貴女のそばにやってくる!

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!

『クーキー』
8月22日より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!
監督・脚本・製作:ヤン・スヴェラーク(『コーリャ 愛のプラハ』『ダーク・ブルー』)
グラフィック・アーティスト:ヤクブ・ドヴォルスキー
キャラクター・デザイン:アマニタ・デザイン
出演:オンジェイ・スヴェラーク
配給:アンプラグド
(c)2010 Biograf Jan Svêrák,Phoenix Film investments,Ceská televize a RWE.

この夏、2匹の熊が乙女心をわしづかみ!

『テッド2』
8月28日(金)全国ロードショー
監督:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン&アレック・サルキン&ウェルズリー・ワイルド
キャスト:マーク・ウォールバーグ、セス・マクファーレン、アマンダ・セイフライド、ジョバンニ・リビシ、ジョン・スラッテリー、ジェシカ・バース、モーガン・フリーマン
配給:東宝東和
(c)Tippett Studio/Universal Pictures and Media Rights Capital

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)