REIGN/ クイーン・メアリー
「REIGN/ クイーン・メアリー <ファースト・シーズン>」
©2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

文=松本典子

REIGN/ クイーン・メアリー
「REIGN/ クイーン・メアリー <ファースト・シーズン>」
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“16世紀王室版の「ゴシップ・ガール」”って・・・そんな堂々たるうたい文句で2013年10月にアメリカでスタートした「REIGN/ クイーン・メアリー <ファースト・シーズン>」。タイトル通り、エリザベス一世と英国王位を争ったスコットランド女王メアリー・スチュアートを主人公とした波乱万丈ロイヤルロマンスなわけですが、これが単なる時代劇にとどまっていない。いや 、これこそが 新解釈“コスチューム・プレイ”として面白い! なり大胆! と普段は時代モノにはさほど興味を示さない私なども俄然注目してしまったわけです。

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コスチューム。とにもかくにも主人公メアリー(アデレード・ケイン)を始めとする女性たちの衣装がすこぶるイケているのです。ソフィア・コッポラが手がけた映画『マリー・アントワネット』(06)でキルスティン・ダンスト扮するヒロインが身につけていた装いに匹敵するレベルかもしれません。あちらはガーリー&シュガーな色調と風合いがいかにもソフィアな世界観でしたが、こちらはボヘミアンなセクシーさが前面に。さらに、あちらは、例えばパンプスをマノロ・ブラニクが特別に制作、こちらは今、店頭に並んでいる誰もが入手可能なアイテムを巧みにスタイリングしているという点で画期的です。道理で今風なわけで。

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メアリーやその幼なじみの侍女たちが身につけるのはアレキサンダー・マックイーンにシャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ロベルト・カヴァッリ、エミリオ・プッチ、アルベルタ・フェレッティ、ダイアン・フォン・ファステンバーグ、エトロ、オスカー・デ・ラ・レンタといったハイブランドからカジュアルなフリー・ピープル、J・クルー、アンソロポロジー、イザベル・マランなども。アクセサリーにはエリクソン・ビーモン、パンプスならブライアン・アトウッドやエマ・ホープ、ヘアピースはコレット・マルーフなど・・・と心ときめく人気ブランドがズラリ。挙げればキリがない。こうしたブランドのアイテムがロングドレスはもちろんトップスとスカートの組み合わせとしても登場。歴史考証に縛られることなく実に自由な発想で、しかしそれぞれに相応しいキャラクター造形に基づいてスタイリングされるのです。肌を隠すことが常識だった当時にはあり得ないノースリーブやホルターネックまでもが王宮に完全に溶け込んでいるし! また、放映時のコレクションならば店頭やネットで購入もできるなんて痒いところに手が届く的仕掛けにもなっていますから、遠くに感じがちな16世紀ロイヤルファミリーになんだか親近感が湧くという副効用まであったりする(かも)。

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ヘアスタイルもきちんと結い上げたりはせず、ヴィンテージのティアラ使いで今っぽいボヘミアン系に仕上げている点が画期的。ヘアスタイル至上主義的な学生生活を送る世界中のティーンズだって真似したくなりそうなゆるふわ感、 “今夜観て、明日真似てみたい♬”的なワクワク感が本作の衣装やヘアスタイルには宿っているわけです。もちろん日本の人気コミック「花より男子」や「ヤマトナデシコ七変化」に強く影響されたという(マジです!)ドラマティックなストーリー展開やお約束のネクストブライトスター的イケメン俳優も注目に価しますし、ファッションが決まれば音楽だってセンスいいのは必至。けれど、このファッションセンスがドラマ全体の人気を底上げしているのは間違いありません。

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16世紀王室&現代というハイブリッドな衣装を担当するのは、メレディス・マークウォース・ポラック。「ゴシップ・ガール」ではアシスタント・コスチューム・デザイナーを務めたと聞けば、その洗練度の高さにも納得いきますよね。彼女はさらなる上級テクニックを駆使して前述の「今買える」的アイテムにさまざまなヴィンテージファッションを巧みにミックス、16世紀を表現します。たとえば、70年代イヴ・サンローランのイブニングガウンなどは特に印象的でしたし、ほかにも古くは(といっても16 世紀よりは断然最近なわけですが)20年代からのドレスや小物などがドラマのあちこちに登場します。

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そうそう、彼女たちの装いに比べると男性たちのそれは見逃されがちですが、私としては彼らがジャケットの下に着ているギャザーたっぷりのブラウスがあまりにチャーミングなので買いに行きたくなってきたところです。思いつくブランドはARTS&SCIENCE、生粋の東京ブランドですしメレディスは知らないかもしれませんね。けれど、雰囲気ぴったり。アメリカでは早くも今秋スタートする第3シーズンに向けて、教えてさしあげたいくらいです。

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