『ギャラクシー街道』小栗旬インタビュー

インタビュー

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男はロマンチックで過去の恋愛を美化する生き物

『ギャラクシー街道』小栗旬

『ギャラクシー街道』で、三谷幸喜映画初出演となった小栗旬。宇宙の平和を愛する正義の味方キャプテンソックスの世を忍ぶ仮の姿である、スペース警備隊のハトヤ隊員を演じた彼に、三谷組について、ハトヤ隊員の「男心」について聞いた。

映画『ギャラクシー街道』は10月24日より全国公開

わかりやすい隊員を演じた

Q:初めての三谷幸喜映画への出演ですね。オファーに至る経緯を教えてください。

三谷さんとは、三谷さんの舞台を観に行ったり、自分の舞台を観に来てくれたりという関係です。映画だと『ラヂオの時間』などが大好きですし、最近は「ドレッサー」という橋爪功さんと大泉洋さんの舞台もすごく面白かったです。いつかご一緒させてもらいたいと思っていたので、こういう面白い役で出られて良かったです。

Q:脚本を読んでどう思いましたか?

面白かったです。宇宙が舞台なのに、描かれていることは本当にくだらないというか、どこにでもある日常生活についての話だったので、「いいなあ、こういうの」と思いながら読みました。

Q:ハトヤ隊員という役柄については。

初めにもらった台本の役名はハヤタだったんです。さすがにいろいろあったようで、ハトヤに変更になったんですけど(笑)。だからすぐに某特撮アニメのハヤタ隊員みたいな感じだろうなとイメージできましたし、監督からも「とりあえず、わかりやすい隊員でやってくれる?」と言われたので「わかりました」と。

Q:ハトヤ隊員が変身するヒーローのキャプテンソックスについてはどうでしたか?

面白いですよね。ヒーローなのにお腹が出ているところも、ずっとソックスを気にしているところも、映画を観たらみんなのために頑張っているあるシーンでボロクソに言われていたのも面白かったです。

『ギャラクシー街道』小栗旬

まるで舞台のようなお芝居ができた

Q:初めての三谷組はいかがでした?

僕らが昔から観てきたユーモラスでナンセンスな三谷映画の世界に入ることができて、とても楽しかったです。とはいえ、現場はすごく速く進んでいくので、「あ! もう終わった!」という感じでした。僕は2日くらいしか撮影がなかったんですが、ちょうど現場に豪華キャストがほぼそろう日だったんですけど、「すごいなー。豪華だなー」と他人事のように眺めていました(笑)。

Q:改めて三谷さんとガッツリやってみたいですか?

機会があれば、次はぜひ舞台でご一緒したいです。

Q:完成した作品を観た感想は?

素直に楽しみました。大きな設定の中で、とても人間的なことをやっている。三谷さんの映画って三谷さんのファンはみんな必ず観に行くと思いますが、今回も面白いので純粋に楽しんでもらえると思います。個人的なツボとして、浅野和之さん演じる謎の男が一番面白かったです。誰かがしゃべっている間も、一人でずーっと動いていらっしゃるんです。「いろいろ細かいことやられているな、浅野さん!」って目が離せませんでした。

Q:客観的に観られたということですね。

そうですね。僕自身は、現場では何も考えずにやっていました。もちろん事前にいろいろ考えるし勉強もしますが、現場ではそういうことを一旦全部忘れてフラットな状態でいるようにしています。「こんなことしてやろう」とか「あんなことしよう」とか全然考えないです。最近はどの作品でも現場に行って、その場の空気の中で演じることが大事だと感じています。

Q:今回の現場はいかがでしたか?

今回僕は阿南健治さんと秋元才加さんとのお芝居でしたが、ほとんどワンカットで撮ることが多かったので、まるで舞台をやっているような感覚でした。何度もコミュニケーションを取っていくうちに、いい空気みたいなものが出来上がっていって、それを三谷さんが喜んで観てくれていたので、こういうことでいいんだろうと思いました。

『ギャラクシー街道』小栗旬

女は現実的で男はロマンチスト

Q:三谷さんはアテ書きをする脚本家と言われていますが、ハトヤ隊員役を与えられて思ったことはありますか?

自分の中にハトヤ隊員のような要素を見ているんだろうなと思いました。何ていうか地に足のついていない、フワッとした感じですかね(笑)。

Q:キャプテンソックスとしての使命を全うするために自分から恋人のマンモ隊員に別れを切り出すつもりが、彼女から思い掛けない告白をされて、ハトヤ隊員は気が動転します。そんな男心をどう思いましたか?

別れを告げたらショックを受けて泣き崩れてくれたりするのを期待していたのに、それすらしてもらえなかったから、ハトヤは胃の奥がキューっと痛くなって、あんなにテンパったんでしょうね。

Q:マンモ隊員の対応は女の人の典型かもしれません。

この映画に出てくるキャラクター全員がそうですけど、女性のほうが男よりも現実的で、男は女性よりもロマンチックな部分が圧倒的に強いと思いました。男は過去の恋愛を美化して、昔の恋人をいつまでもどこかで自分のもののように引きずると言いますけど、女性は恋愛が終わった瞬間から過去の恋人のことは忘れて先へと進んでいく。それはハトヤも、ノアも一緒です。男のそういう部分は、一生変わらないんだろうなと思います。

取材・文: 須永貴子 写真: 金井尭子

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)