年末年始に見たい! いまさら言えない見逃しちゃった大作&シリーズ作の楽しみ方〈アクション&ドラマ編〉

コラム

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文=紀平照幸

ゆっくり休める年末年始には思い切ってシリーズものの一気見なんていかがでしょうか? なんとなく見逃してしまい「実はまだ見てない」と言いそびれていたあの作品をチェックする絶好のチャンス。そんな超大作&人気シリーズを、ここに注目して見ればより楽しめるという視点でご紹介します。

『007』シリーズ ジェームズ・ボンドに命を与えたD・クレイグ

007 スペクター
ダニエル・クレイグのシリーズ4作目となる『007 スペクター』は12月4日公開
SPECTRE©2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

初代のショーン・コネリーから現在のダニエル・クレイグまででボンド役者は6人。俳優が変わっても長期シリーズが成り立つのは、実はボンド自身の個性が必要でなかったからなのです。ボンドは任務を受けて現地に行き、事件を解決するだけ。つまりお話にとっては介入者であり第三者、行動原理は“お仕事”だったのですね。女性に愛をささやいても、すべてその場限りの関係にすぎませんでした。
それが変わったのはクレイグが007になった『カジノ・ロワイヤル』から。彼自身の恋愛感情や恩人への想いなどが物語を動かす原動力になったのです。過去のシリーズでは『女王陛下の007』と『007 消されたライセンス』がこの領域に踏み込み、どちらも興行的にいまひとつだったのに対して、クレイグ版はすべてヒットを記録。彼自身の個性がうまくキャラにマッチしたと言えるでしょう。この勢いに乗って新作『007 スペクター』(12月4日公開)ではさらに一歩進み、今まで語られなかったボンドの生い立ちまでが語られます。
クレイグ以前のシリーズでは、元祖スパイ映画としてのサスペンスが楽しめる『007 ロシアより愛をこめて』と、大型エンタテインメントに振り切った『007 私を愛したスパイ』がオススメ。

007 スペクター
『美女と野獣』や『アデル、ブルーは熱い色』では存在感たっぷりな演技を見せたフランス人女優レア・セドゥをボンドガールに抜擢
SPECTRE©2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

007 スペクター
史上最高齢のボンドガールとなったモニカ・ベルッチも見逃せない
SPECTRE©2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

『007 スペクター』
12月4日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
facebook: http://www.facebook.com/JamesBond007JP
twitter: http://twitter.com/007movie_JP
公式サイト: http://www.007.com/spectre/

『ロッキー』シリーズ ロッキーとアポロの世代を超えた闘志と友情

クリード チャンプを継ぐ男
『クリード チャンプを継ぐ男』(12月23日公開)ではアポロの息子クリード(マイケル・B・ジョーダン)のトレーナー役をロッキー(シルベスター・スタローン)が担う
©2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC./Photo:Barry Wetcher

シルベスター・スタローン演じるロッキーと言えば、映画の舞台になったフィラデルフィアには銅像があるほどの人気者。映画は見たことがなくてもテーマ曲は聞いたことがあるはず。そんな彼の宿敵がアポロ・クリードでした。『ロッキー』『ロッキー2』では不敗のチャンプとしてヘビー級に君臨。ロッキーに敗れた後は、若き挑戦者と戦うロッキーの支えになったりもしています(『ロッキー3』)。しかし『ロッキー4/炎の友情』でロシア人ボクサーとの闘いに敗れて死亡、ロッキーにリングに上がる決意をさせます。当初はライバル関係にあったこの二人が、親友となっていく過程がシリーズの醍醐味のひとつ。
そして12月23日公開の『クリード チャンプを継ぐ男』の主人公はアドニス・クリード。そう、アポロの遺児です。ロッキーはトレーナーとして彼を支える側に回ります。世代を超えて受け継がれる友情の絆は胸を熱くするのです。

『クリード チャンプを継ぐ男』
12月23日(祝・水)、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://www.creedmovie.jp

『ゴッドファーザー』シリーズ  みんな大好き! 3世代ファミリーのサーガもの

ゴッドファーザー
映画『ゴッドファーザー』に登場するコルレオーネ・ファミリー。写真左より長男ソニー(ジェームズ・カーン)、父ビトー(マーロン・ブランド)、三男マイケル(アル・パチーノ)、次男フレデリコ(ジョン・カザール)
TM & Copyright © 1972 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. Restoration Copyright © 2007 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright © 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

これも音楽「愛のテーマ」はあまりにも有名。マフィア映画の代名詞のようになっていますが、家族愛を描いた映画としても秀逸。コルレオーネ・ファミリー3世代のサーガなのです。中でもアル・パチーノ演じるマイケルに注目。『ゴッドファーザー』で家業を嫌いカタギの道に進むはずだったマイケルは、敵対組織に襲われた父ビトー(マーロン・ブランド)の報復のため殺人に手を染め、やがて2代目のドンになります。『ゴッドファーザーPARTⅡ』では実の兄を手にかけるほどの冷徹な男に変貌。そして『ゴッドファーザーPARTⅢ』では子どもや後継者の問題に苦しみめられ、迎える孤独な末路……。『PARTⅡ』の若き日のビトー(ロバート・デ・ニーロ)のパートでは幼少時代も登場しますので、ひとりの男の波瀾万丈の生涯を描いたドラマとして見ることもできるのです。

ゴッドファーザー
『ゴッドファーザー PART I <デジタル・リストア版>』Blu-ray 2381円+税
発売元:パラマウント ジャパン
TM & Copyright © 1972 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. Restoration Copyright © 2007 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright © 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『タイタニック』 したたかなローズの純愛物語

タイタニック
映画『タイタニック』、おなじみのポーズ
© 2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

映画史に残る大ヒット作。巨大船が沈没するパニック映画、あるいはレオナルド・ディカプリオ主演のロマンス映画として有名ですが、ここではケイト・ウィンスレット扮するローズに注目してみましょう。乗船した時点では親の命じるまま金のために富豪と結婚することを受け入れていたローズ。しかしレオ扮するジャックと出会ったことで自立する女性へと変わっていきます。彼と過ごす短くも濃密な時間の中で交わされた約束。ラスト、年老いたローズの枕元に飾られた写真の数々で、その約束が果たされたことがわかるのです。そして眠りについた彼女を出迎える懐かしい顔の人々、その中にはもちろんジャックが……。生還後の彼女の人生に思いを馳せることによって、クライマックスの感涙度も増すことでしょう。

タイタニック
『タイタニック』<2枚組> Blu-ray 1905円+税
発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
© 2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『ボーン』シリーズ 驚愕! スーパースパイの底力

ボーン
シリーズ1作目『ボーン・アイデンティティー』からジェイソン・ボーンを演じるマット・デイモン
© 2002 Kalima Productions GmbH & Co.KG. All Rights Reserved.

記憶喪失のスパイとして登場したジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が、彼の抹殺を目論むCIAと戦う『ボーン・アイデンティティー』は、『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』と続き、ボーンはその凄まじい実力を見せつけてくれました。初めての街で地図を見ながらカーチェイスを行なうという驚異的な動体視力と瞬時の判断力、肉体のキレ、生存にかける執念など。その過去が徐々に明らかになる中、常に相手の意表を突く行動に出る彼が、次は何をするのか? に注目です。現在撮影中の最新作ではまだ彼には秘められた謎があるのでしょうか……。すでに原作を大きく離れてしまったシリーズなので、この先の展開がまったく読めないのも楽しみです。
なお、ボーンが登場しない番外編『ボーン・レガシー』も、ジェレミー・レナー扮するアーロン・クロスを主人公に続編も製作する予定だそうです。

ボーン
ジェレミー・レナー扮する暗殺者も見応えある『ボーン・レガシー』
© 2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.

ボーン
『ボーン・アイデンティティー』Blu-ray 1886円+税
発売元/販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
© 2002 Kalima Productions GmbH & Co.KG. All Rights Reserved.

ボーン
『ボーン・レガシー』Blu-ray 1886円+税
発売元/販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
© 2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.

ライタープロフィール:
紀平照幸/ 愛知県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、1984年に(株)近代映画社に入社、「スクリーン(現SCREEN)」編集部員に。2003年から07年まで同誌の編集長に就任。現在はフリーの映画ライターとして活動。映画周辺の雑学や裏話を収集するのが好き。映画雑誌「シネマスクエア」に て「紀平照幸のムービー・ジョッキー 白黒つけるぜ!」を連載中。

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)