吉川晃司「下町ロケット」の全力疾走は“あぶ刑事”時の骨折完治のアピール!

コラム

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文=鈴木元

『さらば あぶない刑事』
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

吉川晃司の俳優としての注目度が日に日に増している。もちろん、放送中のTBSドラマ「下町ロケット」で演じている帝国重工の財前道生宇宙航空部長が大きな要因である。演技力に関しては賛否両論があるが、その恵まれた体躯を生かし主人公の佃航平(阿部寛)に伍した存在感を放っていることは評価に値する。
ロック歌手として第一線を走り続けてきたのは誰もが知るところだが、そもそもは1984年のデビュー曲「モニカ」が主題歌の映画『すかんぴんウォーク』で主演デビューと、役者としてのキャリアは長い。90年代以降は音楽活動を主軸にしつつも、『レディ・ジョーカー』(04)、『チーム・バチスタの栄光』(08)などの話題作で重要な役どころを担い、12年『るろうに剣心』では華麗なアクションを披露した。

『さらば あぶない刑事』
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

高校時代に水球で日本代表にもなったその身体能力を見込まれて抜てきされたのが、「下町ロケット」の前に撮影され、来年1月30日に公開される映画『さらば あぶない刑事』。テレビシリーズの開始から30周年となる人気シリーズのファイナルで、舘ひろし&柴田恭兵の前に立ちはだかる中南米の犯罪組織幹部ガルシアという役どころだ。
製作サイドは、「身体能力が抜群に長けているのは誰もが分かっているわけだし、最強最悪の敵キャラクターとして最初に名前が挙がった」と起用理由を説明する。最大の見せ場となるのが、舘扮するタカが駆るハーレーダビッドソンとのバイク・アクション。妥協することなく、ストイックに役に打ち込む吉川は、撮影の1カ月ほど前からバイクの練習に打ち込んだ。

『さらば あぶない刑事』
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

しかし3月3日、フロントアップ走行時にバランスを崩し転倒。左足首がバイクの下敷きになり、左足関節外果骨折で全治2カ月の重傷を負い、同月5日に患部をボルトなどで固定する手術を受けた。クランクインも間近に迫り降板も頭をよぎる中、吉川はギプスを着けたまま翌6日のライブを予定通り開催。その日のうちに出演の意思に変わりがないことを伝えた。
製作サイドも意気に感じ、アクションシーンを後半に集中させるなど弱冠の調整は行ったものの、全体の撮影スケジュールは変更せず4月6日にクランクイン。村川透監督のアイデアで、ガルシアは普段ツエをついている設定にしてアクションとの対比を明確にした。
吉川のライブでは、頭上のシンバルを蹴りあげた足で鳴らす「シンバル・キック」がおなじみ。「モニカ」の振り付けに端を発するものだが、これを巧みに取り入れたアクションもあり思わず快哉を叫びそうになる。バイク・アクションはとてもケガ人とは思えない身のこなしで、“あぶ刑事”のフィナーレを飾るにふさわしい非情な悪役として新たな一面を見せている。

『さらば あぶない刑事』
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

「下町ロケット」の第1話。ロケットエンジンに欠かせないバルブシステムの特許が、佃製作所に先を越されていることを知った財前が帝国重工社内を全力疾走するシーンがある。実はこれ、骨折が完治したことをさりげなくアピールしていたのだという。来年6月からはライブツアーも控えている吉川だが、俳優としてもますます目が離せない存在になりそうだ。


『さらば あぶない刑事』
出演:舘ひろし、浅野温子、仲村トオル、柴田恭兵
木の実ナナ、ベンガル、山西道広、伊藤洋三郎、長谷部香苗、小林稔侍
菜々緒/夕輝壽太、吉沢亮、入江甚儀、片桐竜次/吉川晃司
監督:村川透 脚本:柏原寛司 音楽:安部潤
2016年1月30日公開
http://www.abu-deka.com/
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

この記事で紹介している作品

さらば あぶない刑事

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