あの富士山も対象に!? 世界遺産って剥奪されることがあるって知ってた?

コラム

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毎年、登録されるかされないかで大きなニュースになるのがユネスコの世界遺産。日本ではこの3年、毎年新たな世界遺産登録がされています。特に今年は日本各地の産業遺産がひとまとめで登録されるという変わった状況で話題になりましたね。そんな世界遺産。日本では、一度世界遺産になると、観光地として多くの観光客が訪れることが見込め多額の観光収入が入るため、各自治体が必死になって登録を目指しているのが現状です。

本来は歴史的史跡保護のために開始

ユネスコの世界遺産、そもそもなんでスタートしたのでしょうか?実はエジプトのナイル川流域に「アスワン・ハイ・ダム」(社会の授業で習いませんでしたか?)を建設する際に、歴史的遺跡が水没することになり、それを保護し移動させるためにユネスコが活動し、結果遺跡群が保護されたことが始まりです。その後世界中でこのような事が起こらないようにと設立されたのが世界遺産委員会なのです。

世界遺産って多すぎない?

今年の世界遺産委員会終了時点で、世界遺産登録数はなんと1,031件となっているそうです。そのうち日本は19件の登録数となっています。これって多いでしょうか?少ないでしょうか?特に上限は決められていないそうですが、これからもどんどん増えていくということは、世界遺産の価値もどんどん下がってきてしまうように思いませんか?すでに日本でも以前ほど世界遺産登録されたから爆発的に観光客が増えるような時代ではなくなっていますよね。

過去に登録を剥奪された世界遺産があるんです!

そんな世界遺産ですが、登録されると、ユネスコから数々の制約を受けることになります。その遺産価値を維持するために勝手に手を加えられないとか、自然物であれば環境を守るための細かい指示などです。そんな中、遺産価値を守れないということで今までに2か所、登録を剥奪された場所があります。一つはオマーンの「アラビアオリックスの保護区」、もう一つはドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」です。「アラビアオリックス」とは長い角の生えた動物のこと。このアラビアオリックスの保護区は登録されたあと、オマーン政府により広さが1/10に減らされたことで剥奪されました。資源開発を優先した政府が石油などの発掘のために狭めたようです。またドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」については、地元住民の利便性向上のため橋の建設計画があり、その橋を建設すると渓谷の景観が損なわれるという理由で剥奪されました。それぞれ経済活動や地元住民の利便性を優先するか、世界遺産登録を優先するか…難しいところですよね。

日本でも剥奪される可能性があるのが…ズバリ、富士山

世界遺産は大きく2つの登録に分かれるってご存知ですか?それは「文化遺産」と「自然遺産」の2つです。法隆寺や原爆ドームなどの建物や史跡は「文化遺産」、屋久島や小笠原諸島などは「自然遺産」になります。では、「富士山」は?実は富士山、自然遺産と思いきや、文化遺産として登録されているんですよ。理由は簡単。富士山自体は環境整備や登山客のゴミ問題などで「自然遺産」としての登録が難しく、「信仰の対象と芸術の源泉」として、信仰的、また北斎の浮世絵の題材になったり多くの芸術作品のベースとなっている点での登録です。 そんな富士山も文化遺産とはいえ自然が土台になっていますから、今後、登山客のマナーやごみ問題がさらに悪化した場合は剥奪もあり得ると言われています。現在各自治体は、登山料の徴収をテスト形式で行ったりしてなんとかより良い自然を保てるように努力なさっていますよね。ぜひ皆さんも登山客としてのマナーやゴミの持ちかえりなどで貢献するようにしてくださいね。
さまざまな映画の名シーンには、世界遺産に登録されている自然や建物が多く登場します。残念ながらもう見られない、すでになくなってしまった風景などもありますが、世界遺産に登録されることでそんな悲しい事態が起こらないようになってほしいものですよね。
(ロックスター)

記事制作 : dmenu映画