『パディントン』松坂桃李インタビュー

インタビュー

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ほっこり系かと思いきや…油断禁物

『パディントン』松坂桃李

世界中の人々から長く愛されている児童小説を原作に、『ハリー・ポッター』シリーズのプロデューサーが実写映画化した『パディントン』。赤い帽子にダッフルコートを着た紳士的なクマ、パディントンの日本語版吹き替えに挑んだ松坂桃李が、欧米で大ヒットしている本作の魅力を語った。

映画『パディントン』は1月15日より全国公開

普段の声より1トーン上げてアフレコに挑戦

Q:このオファーが来たときは、まずどう思いましたか?

えっ!? クマ? どうやって声をアテるの? と思いました(笑)。これまで声優の経験はあるんですが、どれも一応、人だったので。まさかのクマ!? 全く想像ができませんでした。それにパディントンも絵で見たことがあるぐらいの印象でしたから、どういう物語で何者なのかも知らなくて。

Q:作品に対して、どんなアプローチをしていったのですか?

脚本を読むことと、それからオリジナルを観て、作品の世界観や全体のトーン、キャラクターのイメージをつかむことでした。でも、観たら、たちまち引き付けられました。本当にかわいくて。愛しさを感じました。

Q:オリジナル版で声を担当しているのは、映画『007』シリーズのQ役で人気の英国俳優のベン・ウィショーですよね。

はい。彼、割と渋めの声でアフレコしているんです。でも、それを日本語でやるとたぶん違和感が生まれてしまう。それに、ペルーの奥地から憧れの英国・ロンドンにやって来るという物語は、言ってしまえば高校を卒業したばかりの男の子が田舎から上京するというイメージ。なので、声も幼さが残る感じを意識しています。

Q:実際にどんな風にアフレコしたのですか?

僕は声が低いので、アフレコでは1トーン、2トーン高めにしゃべってほしいと言われて。5日間、順番で録っていきました。ただ、普段のトーンではなくしゃべっているので、1回につき4時間が限界でした。

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パディントンは小さなクマ

Q:それにしてもパディントンは礼儀正しくて、人間以上に紳士的ですよね。

そうですね(笑)。英国に憧れる伯父さんと伯母さん夫婦に育てられて、いつかロンドンに行ったら、こんなあいさつをしてこんなジョークを言うといいよと言われて、一生懸命身に付けたんです。見知らぬ国に行く不安もあるけど、期待もあって、頑張るところがかわいいんです。

Q:パディントン駅でのシーンは印象的です。

教えられた通りに、みんなにお天気のあいさつをするけど、誰も相手をしてくれないから、な、何で? と戸惑う気持ちなど、パディントンの内面を声にうまく乗せられたらと思って演じました。

Q:なかなか難しいですね。

そうなんです。クマの口の動きに合わせるのも難しくて。たぶん今までのアフレコの中で一番難しかったんじゃないかと思います。だけど、そのストレスは感じなかったです。パディントンがスクリーンで動く姿を観ていると、それだけで癒やされるんです。

Q:クマが主人公というと、『テッド』がありますが、気になりましたか?

それこそ最初、お話をいただいたときには、「有吉(弘行)さんじゃないか」って思いました(笑)。でも、作品の中身もテイストも全く違うし、パディントンは願い事をして命が宿ったぬいぐるみじゃなくて、クマ。ちゃんとした生き物ですからね。

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ほっこり系以上の面白さが詰まった娯楽作

Q:ロンドンでブラウン一家と出会ってからの出来事は、コミカルでとても楽しいですよね。

そうですね。たとえば、ブラウン家で初めてお風呂に入るシーンで、絶対にこうなるだろうなと思うようなドジをやっちゃう。『ホーム・アローン』や『Mr.ビーン』といった往年のコメディ映画で観たことがあるような気がするんですけど、パディントンがやると新鮮でかわいくて。

Q:この映画の魅力を伝えるとしたら?

ものすごく幸せな気持ちになれる映画です。大人は大人で懐かしく思えるし、子供は子供で好奇心を刺激されると思います。

Q:出演している俳優も豪華ですよね。

ブラウンさんを演じているのは、テレビドラマ「ダウントン・アビー」で人気のヒュー・ボネヴィル。悪役には、まさかのニコール・キッドマンですからね。このキャラクターが『101匹わんちゃん』の悪女クルエラみたいな存在で、パディントンを狙う。これがまた面白い(笑)。

Q:でも、『パディントン』の映画って聞いて、誰もこんな内容とは思わないものですよね。

みんな、ポスターやキャラクターのイメージでほっこり系だと油断していると思うんです。でも、その思い込みだけじゃわからない魅力があって、観なくちゃわからない。それに観たらものすごーく、マーマレードって栄養があるんだなとわかると思いますよ(笑)。絶対に観て飽きることはないですから、僕にだまされたと思って観てください!

取材・文:前田かおり 写真: 尾鷲陽介
スタイリスト:伊藤省吾
ヘアメイク:Emiy

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)