“韓流”は恋愛モノだけじゃない!復讐と暴力うずまく韓国映画の世界

コラム

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韓流”は恋愛モノだけじゃない……復讐と暴力うずまく韓国映画の世界

ドラマ「冬のソナタ」のイメージから、「韓流」と聞くとなんとなくラブロマンスを連想してしまう人も多いのでは? しかしオバサマ方の胸をときめかす恋愛物語は、韓国の映画文化の一側面にしか過ぎません。数々のラブロマンスが韓流の光だとすれば、闇の面もある!? 怖くて、暗くて、でも目が離せない……! キーワードは“暴力”、そして“復讐”。バイオレンス描写満載の韓国映画を紹介します。

■『オールド・ボーイ』(2003年製作、パク・チャヌク監督)

日本の同名漫画を韓国で実写映画化。平凡なサラリーマンのオ・デス(チェ・ミンシク)は、ある夜拉致されて、15年間監禁されることになる。一体誰が何のために? 突然開放されたデスに、謎の男は「5日以内に謎を解け」と告げる――。

同じ監督の『復讐者に憐れみを』、『親切なクムジャさん』と合わせて「復讐3部作」と呼ばれています。拷問など思わず目を覆いたくなるシーンも多いですが、映像のセンスがバツグン! とくに横スクロールゲーム風の長回しでのアクションシーンは有名です。救いがあるような、ただ虚しいだけのような、なんとも心にひっかかるラストは、多くのバイオレンスな韓国映画に共通する要素。

■『悪魔を見た』(2010年製作、キム・ジウン監督)

婚約者を惨殺されたスヒョン(イ・ビョンホン)は、連続殺人鬼ギョンチョル(チェ・ミンシク)の犯行であることを突き止める。すぐには殺さず、じわじわとギョンチョルに制裁を加えていくスヒョンだったが、ギョンチョルも反撃を図る――。

『オールド・ボーイ』では復讐者を演じたチェ・ミンシクが、こちらでは復讐される側を演じています。行く先々で気ままに凶行を繰り返すギョンチョルの残忍さは、許せない半分なんだか目が離せない……!?

■『チェイサー』(2008年製作、ナ・ホンジン監督)

元刑事のジュンホ(キム・ユンソク)が経営するデリヘルから、女たちが相次いで疾走。容疑者ヨンミン(ハ・ジョンウ)があっさり殺人を自供しても証拠不十分で釈放されてしまう。まだ生きている女を救うべくジュンホは走る――。

実在の事件をもとに映画化。ヨンミンの、どこにでもいそうな、むしろ好青年風の佇まいが恐ろしい! 殺人の動機は最後までハッキリしないのが、いい意味で“スッキリしなさ”をかきたてます。

■『殺人の追憶』(2003年製作、ポン・ジュノ監督)

農村周辺で女性を狙った連続殺人事件が発生。地元刑事トゥマン(ソン・ガンホ)とソウル市警から来たテユン(キム・サンギョン)は反発しあいながらも有力な容疑者を捕らえるのだが……。

韓国犯罪史上に残る未解決事件を元にした物語。今度こそ犯人かと思ったら違い、その次も……という繰り返しの中で、姿を見せない犯人は不気味な存在感を増していきます。ラストシーンの少女のセリフは、何気ないようでいて、何よりもショッキング。

■『嘆きのピエタ』(2012年製作、キム・ギドク監督)

天涯孤独に生きてきた冷徹な借金取りガンド(イ・ジョンジン)の元に、母親を名乗る謎の女ミソン(チョ・ミンス)が現れる。ガンドが次第に彼女の愛を受け入れてきた頃、ミソンは突然姿を消した……。

韓国映画史上初めて、「第69回ヴェネツィア国際映画祭」で金獅子賞を受賞。キム・ギドク監督は暴力的な作風で知られ、「韓国の北野武」と称されています。最新作『殺されたミンジュ』が現在公開中ですが、こちらも少女殺人事件をめぐる壮絶な作品。

良くも悪くも“ズシッ……”とくるのが韓国映画の特徴。「どうせ恋愛モノだろう」と敬遠していてはもったいありません。トラウマになりそうなぐらい濃厚な映画体験、してみませんか?

(文/原田美紗@HEW)

記事制作 : dmenu映画