ディズニー・アニメーションを裏側で支える 超レア!資料保存庫&本社へGO!

コラム

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ディズニー・アニメーションを裏側で支える 超レア!資料保存庫&本社へGO!

数々の名作アニメーションを手掛けてきたディズニーのすごいところは、製作スタッフたちばかりではありません! 彼らが十二分に才能を発揮できるように、きっちりと完備された裏側のサポート体制もやっぱりすごかった! アメリカに飛んで、4月23日に日本公開を控えている最新作『ズートピア』含めディズニーのスタッフたちがお世話になったという、ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリーやディズニー本社を取材してきました!

アニメーション・リサーチ・ライブラリー

早速、最新作『ズートピア』含めディズニーのアニメーターたちが一番お世話になる場所、アニメーション・リサーチ・ライブラリーをいの一番にご紹介しましょう! 約6,500万点(!)もの膨大な資料が保存されているこの場所は、実はセキュリティーの関係上外観の撮影は一切禁止。ここに来られるのは基本ディズニーやピクサーの社員だけ(例外はジョン・ケインメーカーやチャールズ・ソロモンなど名の通ったアニメーション専門家が関連書を書く場合など)という本当に貴重な場所なのです。

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
今回案内してくれるフォックス・カーニーさん。後ろの柱は『ふしぎの国のアリス』(1951)のアリスです

玄関には手描きアニメーション時代に使われていたと思われる机が……!

アニメーション・リサーチ・ライブラリー

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
って『ポカホンタス』(1995)と『アラジン』(1992)が共演しているー!!

机には『ポカホンタス』用の資料が貼られていたので、主に1990年代に使用されていたのでしょうね。移動するときも廊下のいたるところに絵が飾られていて目が足りません!!

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
廊下に飾られている『美女と野獣』(1991)のアートワーク

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
『リロ&スティッチ』(2002)など

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
『ファンタジア』(1940)ゾーン

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
『アナと雪の女王』(2013)の絵コンテ

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
『アナと雪の女王』(2013)

今回は特別に『ズートピア』で参考にされた資料を用意していただきました。動物たちが二本足で歩き、独自の文化を作り上げている本作で参考にしたのは……。

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
カエルだ!! - (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

こちらのトード氏は、長編作品『イカボードとトード氏』と短編作品「The Wind in the Willows」に登場するキャラクター。「The Wind in the Willows」は同名小説(日本語タイトル「たのしい川べ」)をモチーフにしたディズニー・アニメーションです。映画がアメリカ公開されたのは1949年! 古っ! 67年の時を経てもなお、良い保存状態を保ち続けているディズニーさん。さすがです。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー

そのほか来年4月に実写映画がアメリカ公開される『ジャングル・ブック』(1967)や、有名な物語を動物化した『ロビン・フッド』(1973)が特に参考にされたそう。

アニメーション・リサーチ・ライブラリー
『ロビン・フッド』(1973)のアートワーク。ナイン・オールドメン(ディズニーの9人の伝説のアニメーターたち)の一人であるミント・カールが手掛けたものです。キャラクターに個性を染み込ませるために、どのように指や頭、口を動かせばよいか。彼のドローイングから『ズートピア』チームは学んだそうです。『ズートピア』のキツネのニックのルーツ、ここに見つけたり

またアニメーションを作る初期の段階の絵も見られるため、「キャラクターをどのように動かそうとしたのか」などのアニメーターたちの思考のプロセスも学ぶことができるのだとか。

アニメーション・リサーチ・ライブラリー

さて、主に長編映画(1937~1977年の作品)の原画関係を扱っている保管庫の一つに到着。中は最も紙を保存に適した温度・湿度にしているため、肌寒いくらいでした。右に見える原画を保存する棚は移動棚含めてなんと10台。しかも奥行きは少なくとも6メートルはありそう……! さらにその左には背景を保存している大きなロッカーが! しかもこの部屋以外にもたくさん保存庫があるんですよ……!

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー
アートワークにダメージを与えないよう部屋内は約摂氏17度、湿度は50%に保たれています

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー

背景を保存しているロッカーから、取り出していただいたのは……

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー

『ピノキオ』(1940)! これも76年前の作品なんですよね……そのほかにも『アナ雪』エルサの初期のコンセプトアートも出していただきました!

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー

映画でのエルサとは全然違いますね。また今までは平面のものばかりでしたが、ここには保存されているのは、マケット(アニメーターが動きや光の当たり方の参考に使用する立体模型)など立体のものも保存されているんですよ。

これらの資料の数々、なんとディズニーやピクサーのアニメーターたちは、自分のパソコンで見られるそう! この施設では、膨大な量のアナログ資料のデータ化も担当。インターネット上で資料を検索・閲覧できるようにしているとのこと。デジタル化されることで資料の劣化予防や、オリジナルが紛失したときの保険にもなります。何よりもアニメーターたちにとっては、資料が必要な時に、どこでもパッと手元に出せることがうれしいですよね。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー
ディズニー社員が利用できるサイト内で実際に見られる資料の例。こちらは先ほどの『ロビン・フッド』! こんなにきれいに見られるんですね~ - (C) 2016 Disney. All Rights Reserved.

ここの担当者は、6年半で約99万点の資料をデータ化(1年間のデータ化件数は約15万2,300件以上!!)したと言います。作り手にとっての最高の環境を整えるために、ディズニーは日々の努力を惜しみません。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー
データ化する際に原画などのアナログのものをキャプチャーして取り込むカメラ。調子のいい日は左写真の設備で1,000枚、右写真の設備で100枚撮影するのだそう

そのサイトには動画データも保存されていました。原画やコンセプトアート、マケットなどアニメーターたちに必要な素材がそろえられているウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー。しかし音声や実写映画の資料などはまた別のところが担当しているんですって! だからこれはディズニー作品の全部ではなく一部……ディズニーの巨大さをあらためて感じます。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー

各国で行われる展示会の企画監修も担当しているウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチライブラリー。今回机の上にあったのは、昨年の夏に中国で開催された展示会のモデルとのことでした。もちろん日本の企画も担当しているんですよ!

ウォルト・ディズニー本社

さて次は、これらの資料を基に作品を作るクリエイターたちが集う場所を見てみたいですよね? ということで訪れたのが、アメリカ・バーバンク市にあるウォルト・ディズニーの本社。『白雪姫』の7人の小人たちが屋根を支えているこの建物こそ、通称チーム・ディズニー・ビル(正式名称:The Michael D. Eisner Building)です。

ウォルト・ディズニー本社

チーム・ディズニー・ビル前の広場はディズニー・レジェンド・プラザといい、<ディズニー・レジェンド>たちの手形やサインが飾られています。「ディズニー・レジェンド」とは、ディズニーに多大なる貢献をした人々をたたえるために創設された称号です。

ウォルト・ディズニー本社
こんな感じで飾られています

東京ディズニーランドの生みの親である高橋政知氏も同称号を授与された“レジェンド”なんですよ。本社に行くたびに、レジェンドたちに囲まれていると思えば、スタッフも背筋がピンと伸びちゃう!? もちろんチーム・ディズニー・ビルだけではなく、敷地内には、今は使われていないですがアニメーション部門用のビル(現在アニメーションスタッフ用ビルを新たに作っているため、『ズートピア』は別の仮社屋で製作されているんです)や実写ドラマを撮影するスタジオ、試写室などがあります。

ウォルト・ディズニー本社
試写室! 大きすぎる!!

残念ながらビルの中は撮影できませんでしたが、過去作のポスターや、ペラペラとめくることができる束になった絵コンテなどが壁に多数飾られていました。アニメーターでなくとも、気分が高まります~。別の社屋では、過去の作品の展示も。その日の展示は、『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』『海底2万マイル』などの実写作品で使われていた小道具ズでした。

ウォルト・ディズニー本社
ウォルト・ディズニー&ミッキー

ディズニー・アニメーション作品という大輪を咲かせるためには、スタッフ一人ひとりの気持ちが大事! 彼らの気分を高めるためにも、快適なシステムや空間づくりを務める裏のサポート役の動きが大切なんですね。

(取材・文:編集部・井本早紀)

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)