ぽっちゃり系男性誌「Mr.Babe」のモデルオーディションに潜入!

コラム

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ぽっちゃり男子オーディション
オーディションは1組5人から6人で行われた

文=皆川ちか

日本初、ぽっちゃり系に特化した男性ファッション&ライフスタイル誌「Mr.Babe」が、新たな動きを開始した。それは、次世代のぽちゃメンスター発掘オーディション! みごとグランプリに輝くと、同誌の専属モデルとして今後、華やかにふくよかに誌面を彩ることになる。

参加資格はただ一つ。体重80キロ以上であること。

“石ちゃん”こと石塚英彦がイメージキャラクターを務める紳士服ブランド、サカゼンとコラボし、2月某日、都内某所にて「ポッチャリ男子よ集まれ! 大きいサイズのモデルオーディション」が開催された。集まったのは、熾烈な書類選考を勝ち抜いた35名の猛者たちだ。彼らの年齢は19歳から71歳、体型はガチムチ系からマシュマロ系、属性はプリティ系からオラオラ系と多種多様。ひと言で“ぽちゃメン”と言っても、その種類の幅広さ、バラエティの豊かさに、今さらながら圧倒された。彼らはオーディションに臨むにあたり白Tシャツ&ジーンズ着用が義務付けられ、“水着審査”ならぬ“白T審査”となった点が、実にこのオーディションの特徴を浮き彫りにしている。

ぽっちゃり男子オーディション
“動けるぽちゃ”はシャドーキック、ハカ、ダンスなどを披露

審査内容は、自己紹介とウォーキング&ポージング、そして自己PRの3つだが、この自己PRがなんとも……濃い。空手、柔道、ラグビー、相撲など、その恵まれたボディを活かしてスポーツや格闘技を嗜んでいる者は、ハンドスプリングやシャドーキック、ニュージーランド先住民のマオリ族から教わったという戦う前の儀式のダンス「ハカ」など、キレのあるパフォーマンスで“動けるぽちゃ”であることをアピール。

ぽっちゃり男子オーディション
ハンドフルートや本格的なフラメンコ、自作曲の歌唱など様々な形でアピール

一方、“歌えるぽちゃ”“奏でるぽちゃ”をアピールしてくる者も目立った。大きな身体を揺らしてジャズを歌う者、ギターを持参して「大きいサイズの歌」を朗々と弾き語る者。ハンドフルートでAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を、審査員のリクエストに応えて演奏する者。スペイン出身の外国人応募者は、本業であるフラメンコを迫力たっぷりに披露して場をさらった。

また、モデルを志すだけあり、オシャレぽちゃメンも多かった。丸顔に絶妙に似合う三種の神器、帽子とメガネとヒゲを効果的に使って、豊満ボディの魅力を増幅。さらにピアスやタトゥーなどを組み合わせる上級者もおり、キュートにしてクール、ワイルド&スマートという、イケぽちゃメンがざくざく登場。筆者にとってはまさに眼福、至福の時。

マシュマロ体型から醸し出される“癒し”の力を、存分に発揮した自己PRをぶつけてくる応募者も印象に残る。手作りのパウンドケーキを持参してくる者(カッティングして一つひとつ包装してくる気配りがまた!)、ショートコントやジャグリングを繰り広げる者、マイ扇子を持参して日本舞踊を披露する者、そしてプロのマジシャンまで。

審査終了後には懇親会が開かれた。その光景がまた圧巻。大量に用意された肉と酒、炭水化物が、闘いを終えた漢たちの胃袋へと瞬く間に消えていき、急きょコンビニで調達してきたおにぎりを追加投入する場面も。当初は緊張していたオーディション参加者の顔も、ここにきてようやくほぐれて柔らかな笑顔に。そこで、ほっと一息ついた彼らに個別取材を行った。

ぽっちゃり男子オーディション
左から福田充さん、井谷達郎さん、福村公崇さん

最年長となる71歳で参加した井谷達郎さんは、「この年になっても新しいことに挑戦できるということを、自分自身にも家族や友人たちにも証明したい」と、参加した動機を語ってくれた。難病を患ったものの奇跡的に回復した福田充さんは、「生き延びたからには、したいことをなんでもやってみようと決めた」と意気込みのほどをみせた。そして笑顔がキュートな福村公崇さんは、「自分自身がぽっちゃりで洋服の着こなしには苦労しているので、同じ体型の方々をきっと手助けできるはず」と自身がモデルをやることの意義を明かしてくれた。

「Mr.Babe」の倉科編集長はぽっちゃり男子を「同志」と呼ぶ。審査と取材を通して伝わってきたのは、変わりたい、そしてそう願う同志の背中を押したいという彼らの切実な思いだ。

「正直、創刊号の時点ではまだ“絵に描いた餅”でした。今の時代、肥満者があまりにも阻害されていますし、痩せているのを美徳とする文化が主流であることは否めません。そんな常識を、風潮を少しでも揺るがすには、まずは彼らの背中を押さなければ。その試みの第一歩として開催したオーディションに、こんなにも個性豊かな同志たちが集まってくれて、実に嬉しいです。本音を言うと全員合格にしたい!」

ぽっちゃり男子オーディション
オーディションのライバルが一転、懇親会ではまるで旧知の仲のように

35人のぽちゃメンの烈しくもほっこりとした闘いを間近で見て、改めて思う。彼らはライバルであり、同志だ。だから互いに微笑みあい、懇親会ではまるで旧知の仲間のように健闘を労いあっていた。自らのぽっちゃりを欠点ではなくギフトとして、もっと大胆に、もっとポジティブに変わろうとしている姿はもう――魅力的としか言いようがなかい。

今回の審査を通過したファイナリストは、3月24日発売の「Mr.Babe」最新号にて発表される。

ぽっちゃり男子オーディション
総勢35人のぽっちゃり男子が集まった圧巻の会場

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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