今年4月期のドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日)で主演を務めた田中圭と共演の吉田鋼太郎が、25日に都内で行われた「東京ドラマアウォード2018」授賞式に出席。作品の人気とは裏腹に視聴率が伸び悩んだ背景もあったが、「このドラマでのグランプリは多分史上最低の視聴率で取ったと思うので、逆に誇れるというか、数字を恐れないで自分たちがやりたいものを貫く作品が今後増えてくれたらと思います」と作品のクオリティーに胸を張った。

 同アワードは、作品の質の高さのみならず“市場性”“商業性”にスポットを当て“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと 、世界水準で海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰するもの。33歳のモテない主人公・春田創一(田中)と、内面は乙女な上司・黒澤武蔵(吉田)と、ドSイケメンの後輩・牧凌太(林遣都)の三角関係をコミカルに描いた「おっさんずラブ」は、作品賞・連続ドラマ部門でグランプリに輝いたほか、田中が個人賞の主演男優賞を、吉田が助演男優賞を受賞した。

 受賞の喜びに田中は「個人的に賞をいただくのは今年までなくて。賞のことを考えて役者をやっているわけではないですけど、いつかもらえたらとは思っていました。それが、まさか助演よりも先に主演をいただくとは夢にも思っていませんでした」と感激しきり。

 作品については「スタートになりました」と語り、「俳優を18年やってきた集大成と思ってやりましたけど、まだまだこういう現場を作れるんだとか、またまだこの先楽しい仕事がありそうだとか、いろいろと次への感情が生まれてきました。集大成と思って挑みましたけど、スタートにすぎなかった感覚はあります」と振り返った。

 放送中はSNSでは大きな反響があったものの、視聴率では伸び悩む一面も。田中は「完成した1話を見た時にはすごく面白くて、現場でも手ごたえを感じていました。でも、1話の数字が2.9パーセントと出て翌日、監督やプロデューサーは落ち込んで僕に謝ってきたけど、もともと僕は数字に固執しているわけではなかったし、観てものすごく面白かったから『全然気にすることないですよ』と」と視聴率にとらわれないスタンスを強調。視聴率については「判断基準がそこにしかないものですから」と言いつつ、「数字にとらわれずに自分たちが面白いと思える作品を作ってきたのが日本の現場だと思います」と考えを巡らせた。

 また“ヒロイン”を好演し、助演男優賞に輝いた吉田は、役柄について聞かれると「入る前は演じた事がない役柄なので緊張したし、どう演じようか悩みました。ただ、撮影していくうちに(もともと)自分の性格が女性っぽくて、じめじめした性格で、お酒の力を借りないと告白できなかったりするところがあるので、部長の気持ちも分かるし途中で自分の性格で演じればいいのかと気づいてからは、それほど苦労しませんでした」と役をつかむまでの過程を振り返っていた。(取材・文:中村好伸)