2011年にノルウェーで実際に起きた衝撃の無差別銃乱射事件を、72分間のワンカットで映像化した『ウトヤ島、7月22日』が、2019年3月8日から全国公開されることが決まった。

 単独犯の事件としては史上最多といわれる77人もの命が奪われたノルウェー連続テロ事件。2011年7月22日、首都オスロ政府庁舎爆破事件により8人が死亡し、同夕方にはウトヤ島で銃乱射事件が発生。サマーキャンプに参加していた十代の若者たちなど69人が殺害された。犯人は当時32歳のノルウェー人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビク。たった一人で爆破を実行し、罪のない少年少女を銃殺した。

 本作ではウトヤ島でのテロ事件に焦点を絞り、事件発生から終息に要した時間と同様の72分間ワンカットでの映像化に挑戦。突然見舞われた銃乱射事件に激しく動揺しながらも、愛する妹を必死に捜し続ける少女・カヤを全編にわたってカメラは追い、カヤと友人たちをはじめ、若者たちが極限の恐怖の中でいかに行動していったかを、実際の生存者の証言に基づき描き出す。センチメンタルなドラマや音楽などの装飾は一切排除し、登場人物の葛藤と身体的な反応を生々しく伝える。

 第68回ベルリン国際映画祭でエキュメニカル審査員賞スペシャルメンションを受賞した本作のメガホンを取ったのは、『ヒトラーに屈しなかった国王』などのエリック・ポッペ。同時に公開された特報映像ではテントが荒らされ、誰もいないキャンプ場に雨や携帯電話の音が鳴り響く。そこに事件の内容を伝えるコピーが淡々と映し出され、最後には銃声の中で逃げ惑う若者たちの混乱した姿が、事件の非情さを物語る。(編集部・小松芙未)